別冊・ダブルブルー

「……!」


思いきって振り返ったら、青さんがぎゅっと抱き締めてくれて瞬間的に、その胸の中にいる。


その反動でぶれた、てのひらの中のグラスから零れたアイスコーヒーが、青さんの薄いブルーのニットに染みを作る。


「…青さ…ッ!ごめんなさい…!早く脱がないと、染みになっちゃ…」


言いかけた私のコトバはすべて、青さんのくちづけに吸い込まれた。


「…ん…ッ…!」


思わず出た吐息で、やっと私から離れた青さん。


「蒼ちゃん。大丈夫、だよ?ぜんぶ、ぜんぶ。大丈夫」


言いながら、私の背中を優しく撫でる青さんの仕草に、こらえきれずに流れたのは、いろんな感情を伴う、私の涙。