「蒼ちゃん、用意出来た?」


こんこん、と、ドアをノックする音に次いで、やわらかな声音で問いかけるのは、いとおしい青さんで。


はい。出来ました。


私の返事を最後まで聞いてから、ドアを開けるなんて、そんなとこまで青さんらしい。


私が身支度していた、ベッドルームのドアがゆっくりと開いて、青さんが顔を出した。


「…どう、です、か…?」


恐る恐る問いかけた私、に。


…すげー、可愛い…


ぽかんと突っ立っている青さんの姿は、ほんとうにそう思ってくれているのが伝わってきて、なんだか恥ずかしいけれど、嬉しい。


相反する感情は、私の内側にたくさんの感情を起こさせる。


忙しく変わる感情は、ココロを豊かにしてくれると、思う。