「そんなん、気にすることあらへん!な?」


満面の笑みでそんな風に話してくれる、青さんのくちびる。


そのくちびるを、見つめているだけで、もう。


鏡の中には青さんに抱き締められて、上気した頬の私が映っている。


青さんが認めてくれるならまぁ、いいか。


そんな風に思える。


「だから蒼ちゃん、ほら」


私を見つめながら、あごを軽くあげて見せた青さん。


私からの口づけは、やわらかなコトバを紡ぐ、くちびるに。


「なぁ?気にすることなんか、なぁーんにもあらへんねん」


ふわりと笑ってくれた青さん。


「…でも青さん。さっきっからその、エセ大阪弁。気持ち悪いんでやめてください」


「…まじで?!やべー、オレ次の役、大阪人なんだけど」


顔を見合わせたら、同じ色の笑い声が弾けた。




笑い声まで、ダブルブルー。


ブルー×ブルー/3