「じゃあここからは、右近じゃなくて清香に聞くよ」
東條はそう言って目を瞑った。その表情はまだ、国の頂にあったその人の風格を漂わせている。
「もしも今、前世と同じ道を辿ったとして……君は後悔しないかい?」
「…………!」
清香はハッと息を呑みながら、自身の胸に手を当てた。
(東條さまはきっと、ご存じだったんだ)
前世で夫のことを愛していなかったわけではない。
政略結婚だったとはいえ、二人の間には思いやりが、真心が存在した。子まで成したことに一種の運命を感じた。
けれど、前世の清香の心はずっと、別のところにあった。
一緒にいたいと思う人は、立花とは別に存在したのだ。
(私、本当はずっと……ずっと後悔してた)
清香の瞳にまた、うっすらと涙が溜まる。
前世で崇臣の手を取れなかったことには、いくつか理由が存在した。
崇臣と出会った頃には、立花と結婚をしていた――――それが大きな理由ではある。
けれど、身分の違いなどという取るに足らないプライドや、素直になれない自分自身が一番の原因だった。
好きだというその一言がどうしても言えなかったし、崇臣の想いを受け止めることもできなかったのだ。
東條はそう言って目を瞑った。その表情はまだ、国の頂にあったその人の風格を漂わせている。
「もしも今、前世と同じ道を辿ったとして……君は後悔しないかい?」
「…………!」
清香はハッと息を呑みながら、自身の胸に手を当てた。
(東條さまはきっと、ご存じだったんだ)
前世で夫のことを愛していなかったわけではない。
政略結婚だったとはいえ、二人の間には思いやりが、真心が存在した。子まで成したことに一種の運命を感じた。
けれど、前世の清香の心はずっと、別のところにあった。
一緒にいたいと思う人は、立花とは別に存在したのだ。
(私、本当はずっと……ずっと後悔してた)
清香の瞳にまた、うっすらと涙が溜まる。
前世で崇臣の手を取れなかったことには、いくつか理由が存在した。
崇臣と出会った頃には、立花と結婚をしていた――――それが大きな理由ではある。
けれど、身分の違いなどという取るに足らないプライドや、素直になれない自分自身が一番の原因だった。
好きだというその一言がどうしても言えなかったし、崇臣の想いを受け止めることもできなかったのだ。



