「改めて、ありがとう。右近の口から、宮のことが聞けて良かった。俺は……ずっと後悔していたから」
東條がそう言って小さく笑う。清香はひっそりと息を呑んだ。
(後悔……)
とてもシンプルな言葉だが、何故だか強く心に響く。
(どうして? ……あっ!)
その瞬間、東條との会話ですっかり忘れていた崇臣と立花とのことが再び清香の頭に浮かびあがる。
唐突によみがえる息苦しさ。清香は静かに頭を抱えた。
「ねえ、右近。右近は中宮……芹香が亡くなって以降の前世のこと、ちゃんと覚えている?」
穏やかな声音で東條が尋ねる。少しの間逡巡して、清香はゆっくりと首を横に振った。
(覚えて、ない)
実は、清香の前世の記憶は完璧ではない。
はっきりと覚えているのは中宮に仕えている間のことばかり。宮仕えの前と、後のこと、芹香に関すること以外は朧げにしか思い出せないのだ。
東條がそう言って小さく笑う。清香はひっそりと息を呑んだ。
(後悔……)
とてもシンプルな言葉だが、何故だか強く心に響く。
(どうして? ……あっ!)
その瞬間、東條との会話ですっかり忘れていた崇臣と立花とのことが再び清香の頭に浮かびあがる。
唐突によみがえる息苦しさ。清香は静かに頭を抱えた。
「ねえ、右近。右近は中宮……芹香が亡くなって以降の前世のこと、ちゃんと覚えている?」
穏やかな声音で東條が尋ねる。少しの間逡巡して、清香はゆっくりと首を横に振った。
(覚えて、ない)
実は、清香の前世の記憶は完璧ではない。
はっきりと覚えているのは中宮に仕えている間のことばかり。宮仕えの前と、後のこと、芹香に関すること以外は朧げにしか思い出せないのだ。



