(やはり……)
清香は大きく息を吸うと、恭しく頭を垂れた。
「記憶をお持ちでいらっしゃったんですね」
「……うん。思い出したのは、割と最近のことだけれど」
東條はそう言って、清香に頭を上げさせる。彼は穏やかで優しい表情を浮かべていた。
「右近、君は生まれたときから記憶があったんだね?」
「……はい。物心がついたころには」
紫以外の人間と前世の話をするのは、清香にとって初めての経験だった。
しばしの間、二人に沈黙が流れる。
東條は穏やかに目を閉じながら、じっと何事かを考えている。清香は静かに次の言葉を待った。
「――――右近、俺はね、降りしきる桜の花びらの中、芹香を見つけたあのときに前世のことを思いだしたんだ」
風がさらりと流れる。東條の横顔は幻想的で、それはそれは美しかった。
「前世の俺はもう一度宮に会えるなんて思ってもいなかった。だから、現世で再会できたときは、本当に――――心の底から嬉しかったよ」
清香は大きく息を吸うと、恭しく頭を垂れた。
「記憶をお持ちでいらっしゃったんですね」
「……うん。思い出したのは、割と最近のことだけれど」
東條はそう言って、清香に頭を上げさせる。彼は穏やかで優しい表情を浮かべていた。
「右近、君は生まれたときから記憶があったんだね?」
「……はい。物心がついたころには」
紫以外の人間と前世の話をするのは、清香にとって初めての経験だった。
しばしの間、二人に沈黙が流れる。
東條は穏やかに目を閉じながら、じっと何事かを考えている。清香は静かに次の言葉を待った。
「――――右近、俺はね、降りしきる桜の花びらの中、芹香を見つけたあのときに前世のことを思いだしたんだ」
風がさらりと流れる。東條の横顔は幻想的で、それはそれは美しかった。
「前世の俺はもう一度宮に会えるなんて思ってもいなかった。だから、現世で再会できたときは、本当に――――心の底から嬉しかったよ」



