薙野清香の【平安・現世】回顧録

 正直、崇臣はカッコいい。十七歳の清香とは年齢差があるが、大人の魅力に溢れている。女性にモテると思うのも当然だ。

 立花の物言いはとてもストレートで裏があるようには聞こえない。彼は単純に崇臣のことを褒めたいだけだろう。
 けれど、崇臣は妙に気に障ったような表情を浮かべた。


「別に。手を引かれたところで、こちらがそれに答える気が無ければ関係ないことだ」


 どうやらモテる事実は否定できないらしい。崇臣の返答を聞きながら、清香は思わず苦笑いを浮かべる。


(こんなに変わった服装をしてるのに、人間顔の良さには勝てないのね)


 清香には崇臣が他の女性と円滑にコミュニケーションを取っている場面が想像できない。彼には全く愛想がなく、親切心といったものも存在しない。
 とすれば、言い寄ってくる女性陣の判断材料はルックスということになるだろう。或いは、将来性を評価されたのかもしれないが……。


「それに、俺は年齢差など気にしない」


 崇臣がハッキリと言い放つ。その途端、清香の心臓が小さく跳ねた。