清香はこれ幸いとパッと顔を背け、余所行き用の笑みを浮かべる。
「いらっしゃいませ~~」
ふと見れば、店の入り口に若い男性が一人立っていた。爽やかな雰囲気の、日に焼けた肌が印象的な好青年だ。人を見た目で判断するのはよくないが、あまり古書店に出入りするようなタイプには見えない。
「あれ? 店主は?」
どうやら青年は常連客の一人らしい。清香はニコニコと笑いながら青年に近づいていった。
「色々あって夏の間はお休みしていて。代わりに私が店番を……」
そこまで口にし、清香はハッと口を噤んだ。
近づいていくにつれ、青年の顔が段々ハッキリと見えてくる。
やがてそれは、清香の前世の記憶とピタリと重なった。
「旦那……さま」
清香はボソリと、自分にしか聞こえない小さな声でそう呟く。
目の前にいる男性は、前世で清香の夫だった男……清香の運命の人だった。
「いらっしゃいませ~~」
ふと見れば、店の入り口に若い男性が一人立っていた。爽やかな雰囲気の、日に焼けた肌が印象的な好青年だ。人を見た目で判断するのはよくないが、あまり古書店に出入りするようなタイプには見えない。
「あれ? 店主は?」
どうやら青年は常連客の一人らしい。清香はニコニコと笑いながら青年に近づいていった。
「色々あって夏の間はお休みしていて。代わりに私が店番を……」
そこまで口にし、清香はハッと口を噤んだ。
近づいていくにつれ、青年の顔が段々ハッキリと見えてくる。
やがてそれは、清香の前世の記憶とピタリと重なった。
「旦那……さま」
清香はボソリと、自分にしか聞こえない小さな声でそう呟く。
目の前にいる男性は、前世で清香の夫だった男……清香の運命の人だった。



