夏休みに入ってすぐのこと、芹香は宣言通りに東條を家へ呼んだ。
例の如く崇臣が送迎役を務めたものの、いつものように清香の部屋のドアが鳴ることは無い。聞けば、後で迎えに来るとだけ言って、以前のように家には上がらなかったらしい。芹香の咎めるような視線が痛かったが、清香は平静を装った。
そんなことが二回ほど続いたある日のことだった。突然、清香の心をかき乱す事件が起こった。
「東條君、紹介するね。こちら、私の従妹の美玖ちゃん。今日はたまたま遊びに来てくれてて」
リビングで寛ぐ清香の耳に、そんな会話が届いた。
(美玖……? あっ、本当だ、来てる)
首を伸ばして確認すると、芹香の隣には東條とは別の客人、美玖がいた。
(いつから来てたんだろう?)
そんな疑問が浮かび上がり、清香は首を傾げる。
清香は基本的に他人に興味がない。読書に没頭していたが故、芹香の言葉を聞いてようやく従妹の存在を認識したのである。
(まぁ、どうでも良いか)
そんなことを考えながら、清香はまた手元の本へと視線を移した。
例の如く崇臣が送迎役を務めたものの、いつものように清香の部屋のドアが鳴ることは無い。聞けば、後で迎えに来るとだけ言って、以前のように家には上がらなかったらしい。芹香の咎めるような視線が痛かったが、清香は平静を装った。
そんなことが二回ほど続いたある日のことだった。突然、清香の心をかき乱す事件が起こった。
「東條君、紹介するね。こちら、私の従妹の美玖ちゃん。今日はたまたま遊びに来てくれてて」
リビングで寛ぐ清香の耳に、そんな会話が届いた。
(美玖……? あっ、本当だ、来てる)
首を伸ばして確認すると、芹香の隣には東條とは別の客人、美玖がいた。
(いつから来てたんだろう?)
そんな疑問が浮かび上がり、清香は首を傾げる。
清香は基本的に他人に興味がない。読書に没頭していたが故、芹香の言葉を聞いてようやく従妹の存在を認識したのである。
(まぁ、どうでも良いか)
そんなことを考えながら、清香はまた手元の本へと視線を移した。



