(大体、彼女作る前提だったら、それは恋じゃないし)
トクトクと互いの温もりを感じる手のひらから視線を逸らしながら、清香が思う。
恋に恋する女子高生、なんて言葉があるが、彼女たちが好きなのは“恋する自分”であって、恋人ではない。それが本物に変わることもあるだろうが、清香としては、付き合うならば、本当に自身を好きだと思ってくれている人が良い。そう思った。
(それに……)
ふと過った自身の想いに、清香の胸がツキンと痛んだ。
これまでは、考える必要もなかった――考えたくなかった何かが、清香の心を拘束する。フルフルと首を横に振りながら、清香は人知れず俯いた。
(絶対、分からせてやるんだから)
心の中で清香が呟く。そう決意を新たにしながらも、ぴたりと重なり合った手のひらが、清香の心を揺れ動かす。耐え切れず、ぎゅっと目を瞑った清香を見て、隣で崇臣が楽し気に微笑む気配がした。
トクトクと互いの温もりを感じる手のひらから視線を逸らしながら、清香が思う。
恋に恋する女子高生、なんて言葉があるが、彼女たちが好きなのは“恋する自分”であって、恋人ではない。それが本物に変わることもあるだろうが、清香としては、付き合うならば、本当に自身を好きだと思ってくれている人が良い。そう思った。
(それに……)
ふと過った自身の想いに、清香の胸がツキンと痛んだ。
これまでは、考える必要もなかった――考えたくなかった何かが、清香の心を拘束する。フルフルと首を横に振りながら、清香は人知れず俯いた。
(絶対、分からせてやるんだから)
心の中で清香が呟く。そう決意を新たにしながらも、ぴたりと重なり合った手のひらが、清香の心を揺れ動かす。耐え切れず、ぎゅっと目を瞑った清香を見て、隣で崇臣が楽し気に微笑む気配がした。



