「何だじゃなくて!どうして崇臣が私の手を掴んでるのよ!」
「どうしてって……主たちが手を繋いでいるからだ」
「何ですって!?」
崇臣の言葉を聞いた途端、清香は自分たちの手のことなど、どうでも良くなった。カっと目を見開き、前を歩く芹香たちの手を凝視する。
芹香と東條の手のひらは、はた目から見てもしっかりと繋がれていた。決して離れないようにと絡められた指が、愛し気に交わされる笑顔が、清香の瞳に眩しく映る。
「カメラ、カメラ!写真を……!二人のお姿を写真に収めないと…………!」
清香がアタフタとカバンを漁る。けれど、片手ではどうにも上手く探ることができない。
(っていうか、どうして片手なのよ)
そこまで来て清香は、未だ自身の手が崇臣に拘束されていることに気づいた。グっと握ったままの拳を掴むその様は、拘束という言葉が一番しっくりくる。
「ちょっと、邪魔なんだけど!カメラ取れないし、写真も撮れないし」
「そんなもの、心のレンズに焼き付けろ」
崇臣はそんなことを言いながら、拘束の手を弱めようとはしない。普段無表情の癖に、こんな時だけ勝ち誇ったような笑みを浮かべるのがまた腹立たしかった。
「心のレンズだけじゃなくて、私はちゃんと形に残したいのよ!」
「清香らしいな」
珍しく、小さな声を上げて崇臣が笑う。清香の心臓が小さくざわめいた。
「どうしてって……主たちが手を繋いでいるからだ」
「何ですって!?」
崇臣の言葉を聞いた途端、清香は自分たちの手のことなど、どうでも良くなった。カっと目を見開き、前を歩く芹香たちの手を凝視する。
芹香と東條の手のひらは、はた目から見てもしっかりと繋がれていた。決して離れないようにと絡められた指が、愛し気に交わされる笑顔が、清香の瞳に眩しく映る。
「カメラ、カメラ!写真を……!二人のお姿を写真に収めないと…………!」
清香がアタフタとカバンを漁る。けれど、片手ではどうにも上手く探ることができない。
(っていうか、どうして片手なのよ)
そこまで来て清香は、未だ自身の手が崇臣に拘束されていることに気づいた。グっと握ったままの拳を掴むその様は、拘束という言葉が一番しっくりくる。
「ちょっと、邪魔なんだけど!カメラ取れないし、写真も撮れないし」
「そんなもの、心のレンズに焼き付けろ」
崇臣はそんなことを言いながら、拘束の手を弱めようとはしない。普段無表情の癖に、こんな時だけ勝ち誇ったような笑みを浮かべるのがまた腹立たしかった。
「心のレンズだけじゃなくて、私はちゃんと形に残したいのよ!」
「清香らしいな」
珍しく、小さな声を上げて崇臣が笑う。清香の心臓が小さくざわめいた。



