(本当……私、こんなんじゃなかったのに)
先日までの自分との違いに戸惑っているのは、他ならぬ清香自身だ。芹香のこと以外に対しては冷静であまり感情的にはならない。それがこれまでの清香だった。
けれど、芹香はそんな清香を見て笑う。その笑みはまるで、千年前の聡明で美しい主の表情とそっくりだった。許されているような、何事かを期待されているかのような、そんな表情だ。
(私、芹香のこの顔に弱いのよね)
清香は心の中でため息を吐きながら、小さく笑う。これ以上言い返すのは不毛だとそう思った。
それから4人は、何事もなかったかのように食事を再開する。先程奪われたミニトマトを口に運びながら、清香はそっと隣に座る崇臣を睨んだ。
(しかし、こっちの隠れ遊び人には、あとでしっかりお灸を据えてやらねば)
いくら清香の人生が二回目とはいえ、悪戯に乙女の唇を奪った罪は重い。それが花の女子高生の、しかも初めての口づけだったのだから、猶更だ。
崇臣は何食わぬ表情で食事を続けている。清香は不満げに唇を尖らせながら、未だ常より速く鼓動を刻む心臓を持て余していた。
先日までの自分との違いに戸惑っているのは、他ならぬ清香自身だ。芹香のこと以外に対しては冷静であまり感情的にはならない。それがこれまでの清香だった。
けれど、芹香はそんな清香を見て笑う。その笑みはまるで、千年前の聡明で美しい主の表情とそっくりだった。許されているような、何事かを期待されているかのような、そんな表情だ。
(私、芹香のこの顔に弱いのよね)
清香は心の中でため息を吐きながら、小さく笑う。これ以上言い返すのは不毛だとそう思った。
それから4人は、何事もなかったかのように食事を再開する。先程奪われたミニトマトを口に運びながら、清香はそっと隣に座る崇臣を睨んだ。
(しかし、こっちの隠れ遊び人には、あとでしっかりお灸を据えてやらねば)
いくら清香の人生が二回目とはいえ、悪戯に乙女の唇を奪った罪は重い。それが花の女子高生の、しかも初めての口づけだったのだから、猶更だ。
崇臣は何食わぬ表情で食事を続けている。清香は不満げに唇を尖らせながら、未だ常より速く鼓動を刻む心臓を持て余していた。



