「聖奈!」 「柚琉!」 俺は必死に聖奈に手を伸ばした。1度離してしまったこの小さくて柔らかい手。だけどしっかりと温もりはあって、力強く握りしめてくれた。 もう一度、この手を握りたい。 頼むから、俺のところに戻ってこい……。 「行くぞ!」 「柚琉ぅぅ!」 小さな手が大きく開く。 俺は逃がすまいと、その手を……ぎゅっと強く、握りしめた……。