あ、いた! 屋上に来た瞬間、ドアの隙間から、あたしが会いたくて止まない人がいた。 「真人せん……ぱい……?」 目の前の光景に、目を疑った。 すっごく綺麗な女の子が、真人先輩に抱きついていた。 髪で隠れているからか、先輩の顔が見えなかった。 けど、女の子の方は、うっとりするような顔をしていた。 あたしはその場の空気に耐えきれず、そのまま走った。 走って走って、走り続けた。 溢れる涙が、あたしの頬を伝った。