「詩、やっぱり恋してるよね?」



 教室に戻った瞬間、先にそう言われた。



「ななな、何言ってるの!?そんな訳ないじゃん!」

「だって、詩すごく顔が赤くなっちゃってたし、話してる時の顔、イキイキしてたよ?」



 ニヤニヤ笑ってる咲。

 いつもなら、空手チョップをお見舞いしてるところ。

 だけど、どうしても今はそれをしようとは思えなかった。



「詩、顔が赤いけど大丈夫?」



 そう。

 どうやら、あたしはホントにあの人に恋をしてしまったみたい。