その日の私は、午前中いっぱいは頭痛がして仕事に集中できず、午後になっても仕事のミスを連発した。
そのせいか、会議から戻って来た副社長はずっと渋い表情のままだ。
「あの、コーヒーをお持ちしましょうか?」
最近では習慣化してしまった3時のコーヒー。
外出や会議で部屋にいないときを除いて私が毎日淹れることにしている。
でも、今日は少し違った。
「飲みたくなれば言うから、余計なことはするな」
「はあ」
余計なこと。
その一言が体調の万全でない私には引っかかる。
「大体二日酔いで仕事にならないなら休めよ」
「それは・・・」
確かに仕事にならないなら邪魔になるだけで、ただでさえ忙しい副社長のもとにいるべきではない。
それでも、自分が休むことで誰かに迷惑をかけるよりはと思い出社した。
もちろん、「よく頑張って出社した」と褒めてもらうつもりはないけれど、その努力は汲んでもらいたい。
「あのレストランに行きたかったのか?」
「え?」
唐突に言われ、何のことか理解できずに私は副社長を振り返った。
「昨日の店だよ」
ああ、昨日圭史さんに連れて行ってもらったレストラン。
今話題の場所だし、いかにも女子好みの店だった。
「そうですねえ、とっても素敵なお店だと思いますけれど、私はもう少し落ち着いていてのんびりできるところの方がいいですね。豪華すぎて少し気後れしてしまいました」
今はやりのおしゃれで眺めのいい話題のお店。
雑誌やメディアにも多く取り上げられていて、なかなか予約のとれない人気店だからいい思い出にはなったけれど、また行きたいかと言われると違う気がする。
「じゃあ、何で行くんだよ」
「それは・・・」
怒気を含んだような副社長の言葉に、何とも返事のしようがない私は黙り込んでしまった。
そのせいか、会議から戻って来た副社長はずっと渋い表情のままだ。
「あの、コーヒーをお持ちしましょうか?」
最近では習慣化してしまった3時のコーヒー。
外出や会議で部屋にいないときを除いて私が毎日淹れることにしている。
でも、今日は少し違った。
「飲みたくなれば言うから、余計なことはするな」
「はあ」
余計なこと。
その一言が体調の万全でない私には引っかかる。
「大体二日酔いで仕事にならないなら休めよ」
「それは・・・」
確かに仕事にならないなら邪魔になるだけで、ただでさえ忙しい副社長のもとにいるべきではない。
それでも、自分が休むことで誰かに迷惑をかけるよりはと思い出社した。
もちろん、「よく頑張って出社した」と褒めてもらうつもりはないけれど、その努力は汲んでもらいたい。
「あのレストランに行きたかったのか?」
「え?」
唐突に言われ、何のことか理解できずに私は副社長を振り返った。
「昨日の店だよ」
ああ、昨日圭史さんに連れて行ってもらったレストラン。
今話題の場所だし、いかにも女子好みの店だった。
「そうですねえ、とっても素敵なお店だと思いますけれど、私はもう少し落ち着いていてのんびりできるところの方がいいですね。豪華すぎて少し気後れしてしまいました」
今はやりのおしゃれで眺めのいい話題のお店。
雑誌やメディアにも多く取り上げられていて、なかなか予約のとれない人気店だからいい思い出にはなったけれど、また行きたいかと言われると違う気がする。
「じゃあ、何で行くんだよ」
「それは・・・」
怒気を含んだような副社長の言葉に、何とも返事のしようがない私は黙り込んでしまった。



