「正直、創介の秘書って大変じゃないの?」
前菜、サラダ、スープと食事がすすみ、メインの牛ホホ肉の赤ワイン煮が出てきたところで、圭史さんが私の顔を覗き込む。
「そうでもないですよ」
副社長ならこんなタイミングで声をかけたりはしないでゆっくりと料理を味わわせてくれるのになと思いながら、少し噛むだけでぐずれてしまう柔らかなお肉を味わう私は答えた。
さっきから圭史さんが一方的に話をして、私が答える流れが出来上がっている。
決して会話が弾まないわけでもないけれど、私としてはもう少しお料理を味わいたいと思っているのは黙っておこう。
「仕事のこととなると遠慮がないし、女の子にだって結構厳しいだろ?」
「ええ、まあ、そうですね」
でも、その何倍の自分に厳しい人だからついて行こうって気にもなる。
不器用なくらいに真っすぐで真面目な創介副社長を今は尊敬している。
「ねえ望愛ちゃん。よかったらうちの会社に来ないか?」
「えっ」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかった私は、驚いて食事をする手が止まった。
「もちろん給料は今よりも出すし、できる限り優遇もする」
「いや、そんなあ・・・」
そんなことを言ってもらえるだけ、私は優秀な人材ではない。
どちらかというとまだ半人前の秘書見習いなのに、スカウトなんてとんでもない。
「何か条件があるなら言ってくれれば、配慮するよ」
「はあ、でも・・・」
自分が仕事のできる人間だと思っていな私からすると、圭史さんの申し出は不思議でしかない。
そもそもそこまでして私を誘ってくれる意図がわからない。
前菜、サラダ、スープと食事がすすみ、メインの牛ホホ肉の赤ワイン煮が出てきたところで、圭史さんが私の顔を覗き込む。
「そうでもないですよ」
副社長ならこんなタイミングで声をかけたりはしないでゆっくりと料理を味わわせてくれるのになと思いながら、少し噛むだけでぐずれてしまう柔らかなお肉を味わう私は答えた。
さっきから圭史さんが一方的に話をして、私が答える流れが出来上がっている。
決して会話が弾まないわけでもないけれど、私としてはもう少しお料理を味わいたいと思っているのは黙っておこう。
「仕事のこととなると遠慮がないし、女の子にだって結構厳しいだろ?」
「ええ、まあ、そうですね」
でも、その何倍の自分に厳しい人だからついて行こうって気にもなる。
不器用なくらいに真っすぐで真面目な創介副社長を今は尊敬している。
「ねえ望愛ちゃん。よかったらうちの会社に来ないか?」
「えっ」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかった私は、驚いて食事をする手が止まった。
「もちろん給料は今よりも出すし、できる限り優遇もする」
「いや、そんなあ・・・」
そんなことを言ってもらえるだけ、私は優秀な人材ではない。
どちらかというとまだ半人前の秘書見習いなのに、スカウトなんてとんでもない。
「何か条件があるなら言ってくれれば、配慮するよ」
「はあ、でも・・・」
自分が仕事のできる人間だと思っていな私からすると、圭史さんの申し出は不思議でしかない。
そもそもそこまでして私を誘ってくれる意図がわからない。



