暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~

「創介もいたんだな」
「そう、みたいですね」

そのレストランには創介副社長と綾香さんもいた。
いくら従弟で友人関係とはいえ、女性同伴のプライベートな時間に声をかけるようなことをしないのは、圭史先輩も創介副社長も一緒。
お互いにチラッと視線を合わせただけで、私達は案内された席に向かった。

「一緒にいたのは・・・」
どこかで見たことがあるんだよなと首を傾げる圭史さん。

「東京銀行の白鳥頭取のお嬢さんです」
結局、私が教えてあげた。

「ああ、白鳥綾香さんか」
「ええ」

さすが、綾香さんは有名人らしい。
あれだけきれいなんだから、目立つのもモテるのも納得かもしれないな。

「それにしても、創介が女性連れなんて珍しいな」
「そうですか?」

最近二人で出かけるようになったからかもしれないけれど、創介副社長との食事は思っていたより快適だ。
普段から無口な分しつこく会話をしようとしないし、食べ方もきれいで一緒にいて苦痛がない。
それに、副社長は私の食べるスピードに合わせてくれる。
普段の昼食は割と早食いであっという間に終わってしまうのに、二人で食事をするときには私が終わるころを見計らって食べ終わる。
どうやら気を使ってもらっているんだと、最近になって気が付いた。

「学生時代、大金持ちの癖に遊ばず、モテるくせに全く女性になびかない創介はゲイじゃないかって噂があったんだ」
「え?」
思わず私の声が大きくなった。

見た感じクールな印象で、経済界の若きプリンスなんて言われることもある創介副社長は女性にも人気があり同行する会議やパーティーでもよく声をかけられている。
過去に付き合ってきた女性に関してはなにも知らないけれど、少なくとも男性が好きなようには見えないけれど。