暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~

情事の後。

「こんなにかわいいと抱きつぶしてしまいそうだなあ」
「もう、創介ったら」
ベットの上とはいえ真顔で言われ、私は顔を赤くした。

「結婚式におなかが大きいと、着れらるドレスが少なくていやだろ?」
「それは・・・」
いきなりそんな発想になる創介がすごい。

「それにほら新婚旅行だって」
「ねえ、それよりもっと大事なことがあるでしょ?」
私は、創介の言葉を遮ってしまった。

「大事なことって何だよ」
本当にわからないらしい創介が私の顔を覗き込む。

「このままここに住むの?」

ここは創介が独身時代から住んでいたマンション。
高層階の高級マンションだけれど、ファミリー向きの間取りではない。
もちろん二人で住むのには何の問題もないけれど、先々のことを考えればもう少し自然のある所に住みたい気もする。
それに、私にはある考えがあって・・・

「引っ越したいのか?」
「実は、そのことで創介にお願いがあるの」
「お願い?」
「うん」