暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る～花嫁候補のようですが、謹んでお断りします～

その後、創介の車で美愛を送ってから私たちはマンションに帰宅した。

「創介夕食は？」
私は桃ちゃんや美愛と食べたけれど、創介はまだじゃないかしらと思い聞いてみた。

「会社でケータリングの弁当を食べたから、大丈夫だ」
「そう」
「ところで、少し話がしたいんだが？」
意地悪そうな笑みを浮かべ、座っていたソファーの隣の席をポンポンと叩く創介。

どうやらここに来なさいってことだろうと、私はおとなしく創介の隣に座った。

「困っているのに、なぜ俺を呼ばなかった？」
「それは・・・」
忙しい創介に迷惑を掛けたくなかった。

「相手の言っていることが理不尽だと思っていながら膝をつこうとしたのはなぜ？」
「だって・・・」
騒ぎが大きくなれば一条コンツェルンのにも影響が及ぶと思ったから。

「望愛よく聞いてくれ。どんなに仕事が忙しくても、俺は望愛が困っていればすぐに駆け付けるし、望愛と一条コンツェルンのどちらをとるかと聞かれれば望愛をとる。それだけ望愛のことが大切なんだよ」
「創介」
「頼むから、俺の知らないところで困ったり泣いたりしないでくれ」

私の肩に手を回し「お願いだから、俺を頼ってくれ」と繰り返す創介を、私はそっと抱きしめた。

「ごめんなさい。これからはすぐに連絡をします」
「ああ、そうしてくれ」