どうして?
釈然としない気持ちのまま、玄関のドアを開けた。
いったい、私の知らないところで何が起きているのだろう?
そんな今日は、月末最終日の30日ということと、半期決算締め日ということもあって、朝からてんてこ舞いで書類の山と悪戦苦闘していた。中原さんもフル回転で、必死にあちらこちらに電話をしている。
そして、高橋さんは、月末なのに容赦ない会議のスケジュールをこなしながら、事務所に戻ってきては直ぐに書類に目を通して判を押して、また会議に行くということを朝から繰り返していた。
きりのいいところで一足先に食事に行く途中、エレベーターの中で偶然まゆみに会った。
「あれ? 今から食事?」
「そうなの。月末だからね。まゆみは?」
「もう終わって、ちょっと営業に書類届けに行くところ。足の具合は、どう?」
「うん。だいぶ、いい感じなんだ」
「そりゃ、良かった。そう言えば……」
まゆみが言いかけたところで、エレベーターが先にまゆみが降りる階に着いてしまった。
「あっ、ちょ、ちょっと、まゆみ?」
まゆみは私を引っ張って、無理矢理一緒にエレベーターから降ろした。
「な、何?」
「あのさ……。ハイブリッジが、最近よくうちや人事に来てるのよ。何かあったの?」
やっぱり……。まゆみも、気づいてたんだ。
それだけ高橋さんが、よく総務や人事に行ってるってことなのかもしれない。
「それが、よく分からないの」
昨日、高橋さんに聞いたけれど、教えてもらえなかった。
「でも、もしかしたら私、人事に異動なのかもしれない」
「オロッ! そうなの? でも、まだ決まった訳じゃないんでしょ?」
声が出なくて、黙ったまま頷いた
「じゃ、ちょっと探り入れてみるわ。でも、分かんないんだよねえ……。あの辺の上の話は、まったく掴めないからさ。まあ、あまり期待しないで待ってて」
「うん。ありがとう……」
まゆみと別れてから、もう1度エレベーターに乗って社食に向かい、まるで流し込むようにうどんを食べて急いで事務所に戻って、また直ぐ仕事に取りかかった。
そして、どうにか、こうにか、月末最終日の締めの目処がたったのは、結局22時を少し廻ったところだった。
昨日と同じように3人で事務所を出て、エレベーターに乗りながら、ふと昨日の出来事を 思い出していた。
事務所を出る前に、高橋さんから一緒に帰るよう念を押されて、落ち着かずに気持ちが重くなりながら、あっという間に2階に着いてしまった。
釈然としない気持ちのまま、玄関のドアを開けた。
いったい、私の知らないところで何が起きているのだろう?
そんな今日は、月末最終日の30日ということと、半期決算締め日ということもあって、朝からてんてこ舞いで書類の山と悪戦苦闘していた。中原さんもフル回転で、必死にあちらこちらに電話をしている。
そして、高橋さんは、月末なのに容赦ない会議のスケジュールをこなしながら、事務所に戻ってきては直ぐに書類に目を通して判を押して、また会議に行くということを朝から繰り返していた。
きりのいいところで一足先に食事に行く途中、エレベーターの中で偶然まゆみに会った。
「あれ? 今から食事?」
「そうなの。月末だからね。まゆみは?」
「もう終わって、ちょっと営業に書類届けに行くところ。足の具合は、どう?」
「うん。だいぶ、いい感じなんだ」
「そりゃ、良かった。そう言えば……」
まゆみが言いかけたところで、エレベーターが先にまゆみが降りる階に着いてしまった。
「あっ、ちょ、ちょっと、まゆみ?」
まゆみは私を引っ張って、無理矢理一緒にエレベーターから降ろした。
「な、何?」
「あのさ……。ハイブリッジが、最近よくうちや人事に来てるのよ。何かあったの?」
やっぱり……。まゆみも、気づいてたんだ。
それだけ高橋さんが、よく総務や人事に行ってるってことなのかもしれない。
「それが、よく分からないの」
昨日、高橋さんに聞いたけれど、教えてもらえなかった。
「でも、もしかしたら私、人事に異動なのかもしれない」
「オロッ! そうなの? でも、まだ決まった訳じゃないんでしょ?」
声が出なくて、黙ったまま頷いた
「じゃ、ちょっと探り入れてみるわ。でも、分かんないんだよねえ……。あの辺の上の話は、まったく掴めないからさ。まあ、あまり期待しないで待ってて」
「うん。ありがとう……」
まゆみと別れてから、もう1度エレベーターに乗って社食に向かい、まるで流し込むようにうどんを食べて急いで事務所に戻って、また直ぐ仕事に取りかかった。
そして、どうにか、こうにか、月末最終日の締めの目処がたったのは、結局22時を少し廻ったところだった。
昨日と同じように3人で事務所を出て、エレベーターに乗りながら、ふと昨日の出来事を 思い出していた。
事務所を出る前に、高橋さんから一緒に帰るよう念を押されて、落ち着かずに気持ちが重くなりながら、あっという間に2階に着いてしまった。

