「あの……」
「イタリアンじゃ、嫌か?」
「そんなことないです。いえ、そんなんじゃないです」
「じゃあ、行こう。腹減りヘリハラ」
高橋さんが運転席から降りて、助手席の方へと廻ってきてくれた。
高橋さん……。
何故か、後ろめたい気持ちでいっぱいだった。
助手席のドアを開けてくれた高橋さんの顔を、まともに見られない。
「大丈夫か?」
「は、はい。すみません」
私の左足を気遣いながら、高橋さんはゆっくり歩いてくれていた。
お店に入ってからメニューを見ても何だか視点が定まらず、オーダーするものを決められないでいると、高橋さんが 『お任せでいい?』 と言ってくれてホッとした。
「此処のシチューパイは、かなりお薦めだから」
運ばれてきたシチューパイから、いい匂いが鼻腔を刺激する。
「そうなんですか? 頂きます」
シチューもパイも大好きだ。でも、今はそれよりどうやって高橋さんに切り出せばいいか、そればかりを考えている。
「こっちのパスタもピザも、美味いから」
「はい。ありがとうございます」
小皿に取り分けながら、ごく普通の当たり障りのない会話をしていたけれど、何となくぎくしゃくしているのが自分でも分かった。
「さて……。落ち着かないようだから、お前の話を聞こうか?」
エッ……。
食事が終わって、コーヒーとデザートのティラミスとクレームブリュレが出されると、高橋さんが私の顔をジッと見つめた。
「あ、あの……。そんな、その、大したことじゃないんです。だから、今日じゃなくても……」
「話を聞くまで、ずっとその不安そうな何を聞いても上の空で落ち着かない顔を見ていなければならないのかと思うと、こっちの方がもっと落ち着かない」
高橋さん……。
やっぱり、何となく気づかれていたんだ。私が落ち着かないというか、上の空だったこと。
「すみません……。あの、実は……」
やっぱり駄目だ。私の口からは、言えない。
『あら? いいの? 貴女が高橋さんの家に泊まったこと、みんなにばらしてもいいのかしら? きっと、大騒ぎになるわよねえ』
「イタリアンじゃ、嫌か?」
「そんなことないです。いえ、そんなんじゃないです」
「じゃあ、行こう。腹減りヘリハラ」
高橋さんが運転席から降りて、助手席の方へと廻ってきてくれた。
高橋さん……。
何故か、後ろめたい気持ちでいっぱいだった。
助手席のドアを開けてくれた高橋さんの顔を、まともに見られない。
「大丈夫か?」
「は、はい。すみません」
私の左足を気遣いながら、高橋さんはゆっくり歩いてくれていた。
お店に入ってからメニューを見ても何だか視点が定まらず、オーダーするものを決められないでいると、高橋さんが 『お任せでいい?』 と言ってくれてホッとした。
「此処のシチューパイは、かなりお薦めだから」
運ばれてきたシチューパイから、いい匂いが鼻腔を刺激する。
「そうなんですか? 頂きます」
シチューもパイも大好きだ。でも、今はそれよりどうやって高橋さんに切り出せばいいか、そればかりを考えている。
「こっちのパスタもピザも、美味いから」
「はい。ありがとうございます」
小皿に取り分けながら、ごく普通の当たり障りのない会話をしていたけれど、何となくぎくしゃくしているのが自分でも分かった。
「さて……。落ち着かないようだから、お前の話を聞こうか?」
エッ……。
食事が終わって、コーヒーとデザートのティラミスとクレームブリュレが出されると、高橋さんが私の顔をジッと見つめた。
「あ、あの……。そんな、その、大したことじゃないんです。だから、今日じゃなくても……」
「話を聞くまで、ずっとその不安そうな何を聞いても上の空で落ち着かない顔を見ていなければならないのかと思うと、こっちの方がもっと落ち着かない」
高橋さん……。
やっぱり、何となく気づかれていたんだ。私が落ち着かないというか、上の空だったこと。
「すみません……。あの、実は……」
やっぱり駄目だ。私の口からは、言えない。
『あら? いいの? 貴女が高橋さんの家に泊まったこと、みんなにばらしてもいいのかしら? きっと、大騒ぎになるわよねえ』

