【貴博へ】
差出人を見なくても、容易に想像出来た。
躊躇うことなく封筒の裏を見ると、そこには想像した通りの名前があった。
でも、何故?
封が切られていない。
高橋さん。読んでいないの?
まるで犯罪者みたいに、指紋が付かないよう無意識に封筒の両角を持ちながら、暫く封筒を眺めていた。
この封筒の中に書かれている文字は、紛れもなくミサさんの書いたもの。それなのに、何故、高橋さんは読まないんだろう? いったい、何時この手紙を……。
その時、寝室のドアが開く音がして、慌てて封筒を元のあった場所に戻して引き出しを急いで閉めると、真ん中の大きな引き出しを開けて探すふりをした。
「見つかったのか?」
「す、すみません。まだ、見つからなくて」
心配して見に来てくれたみたいだったが、高橋さんと目が合っても何だか悪いことをしたような気分になって落ち着かない。
「今、お前が開けてる引き出しに、確か……」
そう言って高橋さんが傍まで来て椅子にドカッと座ると、開けていた引き出しを全開にして探してくれると、奥の方から体温計を出て来た。
「あった! あっ、す、すみません」
思わず声を出してしまい、また高橋さんの耳元で大きな声を出してしまったので怒られるかと思い、慌てて口を両手で押さえた。
すると、高橋さんは無言でその体温計を私に渡してキッチンの方へと行ってしまった。
「た、高橋さん。私じゃないですよ。高橋さんに、体温を計ってもらいたいんですって」
体温計を持ってキッチンまで追いかけていくと、高橋さんは立ったまま冷蔵庫の前でペットボトルのポカリスエットを飲みながら横目で私を見ていた。
「あの……」
「まさしく、小姑だな。水分ぐらい摂らせろ」
「は、はい。すみません」
小姑だなんて、高橋さん。酷いな。
だけど、今は病人だから多めに見てあげようっと。
500mlのペットボトルが空になると、高橋さんは黙って持っていた体温計を私から取ると体温計を脇の下に挟んだ。
「大丈夫ですか?」
「ああ」
直ぐに電子音が鳴って、驚いて高橋さんを見上げると少しだけ微笑んでいた。
差出人を見なくても、容易に想像出来た。
躊躇うことなく封筒の裏を見ると、そこには想像した通りの名前があった。
でも、何故?
封が切られていない。
高橋さん。読んでいないの?
まるで犯罪者みたいに、指紋が付かないよう無意識に封筒の両角を持ちながら、暫く封筒を眺めていた。
この封筒の中に書かれている文字は、紛れもなくミサさんの書いたもの。それなのに、何故、高橋さんは読まないんだろう? いったい、何時この手紙を……。
その時、寝室のドアが開く音がして、慌てて封筒を元のあった場所に戻して引き出しを急いで閉めると、真ん中の大きな引き出しを開けて探すふりをした。
「見つかったのか?」
「す、すみません。まだ、見つからなくて」
心配して見に来てくれたみたいだったが、高橋さんと目が合っても何だか悪いことをしたような気分になって落ち着かない。
「今、お前が開けてる引き出しに、確か……」
そう言って高橋さんが傍まで来て椅子にドカッと座ると、開けていた引き出しを全開にして探してくれると、奥の方から体温計を出て来た。
「あった! あっ、す、すみません」
思わず声を出してしまい、また高橋さんの耳元で大きな声を出してしまったので怒られるかと思い、慌てて口を両手で押さえた。
すると、高橋さんは無言でその体温計を私に渡してキッチンの方へと行ってしまった。
「た、高橋さん。私じゃないですよ。高橋さんに、体温を計ってもらいたいんですって」
体温計を持ってキッチンまで追いかけていくと、高橋さんは立ったまま冷蔵庫の前でペットボトルのポカリスエットを飲みながら横目で私を見ていた。
「あの……」
「まさしく、小姑だな。水分ぐらい摂らせろ」
「は、はい。すみません」
小姑だなんて、高橋さん。酷いな。
だけど、今は病人だから多めに見てあげようっと。
500mlのペットボトルが空になると、高橋さんは黙って持っていた体温計を私から取ると体温計を脇の下に挟んだ。
「大丈夫ですか?」
「ああ」
直ぐに電子音が鳴って、驚いて高橋さんを見上げると少しだけ微笑んでいた。

