「あっ。あ、あの、矢島です。あっ。お、おはようございます。朝から、すみません。あの……今、よろしいでしょうか?」
「……」
高橋さん?
「あの……」
「悪い。今、取り込んでるから、今夜にでも連絡する」
「あっ。すみません。それでしたら、また明日、出直してきます。お忙しいところ、申し訳……」
「どうしたんだ?」
途中で、高橋さんに低い声で問い掛けられた。
インターホン越しだからだろうか? 高橋さんの声が、小さかった。
「い、いえ、あの……実は、高橋さんのIDカードを私が持って帰ってしまっていて……。それで伺ったのですが、ま、また明日、出直して来ます」
「ああ……そうだったんだ。悪かった。少しなら大丈夫だから、上がってきてくれるか?」
「えっ? で、でも、申し訳ないですから。また、出直して……」
「いいから、大丈夫だ」
高橋さんはそう言うと、エントランスの施錠を解除してくれたのか自動扉が開いた。
「あっ。す、すみません。直ぐ、失礼しますので」
急いでエレベーターに向かい、8階で降りて高橋さんの部屋に足早に向かった。
何か、悪いことしちゃったな。
高橋さん。忙しかったみたいだし……。
玄関の前で表札を確認してからインターホンを押すと、静かに玄関のドアが少し開いた。
「お、おはようございます」
「おはよう」
「あ、あの、すみません。持って帰ってしまっていて、その……」
IDカードを高橋さんに差し出すと、高橋さんは左手でドアを押さえながら右手でIDカードを受け取ってくれた。
「ありがとう」
高橋さん?
何だか、いつもの高橋さんの声と違う。目も充血してるし、どうしたんだろう?
「あの……。高橋さん。どうかされましたか?」
「いや、何でもない」
しかし、少し開いたドアの隙間からよく見ると、高橋さんが来ているグレーのカーディガンの下はパジャマのようだった。
「高橋さん」
「わざわざ悪かったな。ありがとう。それじゃ……」
ジッと見ている私に気づいたのか、高橋さんがドアを閉めようとした時、一瞬、体が揺れてシューズボックスに手を突いた。
「た、高橋さん? 大丈夫ですか?」
驚いた拍子にドアの隙間から玄関の中に少し入ってしまったが、それどころじゃなかった。
すると、高橋さんはシューズボックスに右肘をついて、手首で額を押さえていた。
「た、高橋さん! どうしたんですか? 大丈夫ですか?」
「騒ぐ……な」
高橋さん?
驚いて高橋さんの真横に立って、思わず大きな声を出してしまっていたらしい。そのせいで高橋さんに止められたが、それすらも高橋さんは辛そうに言ってるように見えた。
「す、すみません。大丈夫ですか?」
「ああ。扁桃腺が腫れて、熱持ってるだけだ」
「……」
高橋さん?
「あの……」
「悪い。今、取り込んでるから、今夜にでも連絡する」
「あっ。すみません。それでしたら、また明日、出直してきます。お忙しいところ、申し訳……」
「どうしたんだ?」
途中で、高橋さんに低い声で問い掛けられた。
インターホン越しだからだろうか? 高橋さんの声が、小さかった。
「い、いえ、あの……実は、高橋さんのIDカードを私が持って帰ってしまっていて……。それで伺ったのですが、ま、また明日、出直して来ます」
「ああ……そうだったんだ。悪かった。少しなら大丈夫だから、上がってきてくれるか?」
「えっ? で、でも、申し訳ないですから。また、出直して……」
「いいから、大丈夫だ」
高橋さんはそう言うと、エントランスの施錠を解除してくれたのか自動扉が開いた。
「あっ。す、すみません。直ぐ、失礼しますので」
急いでエレベーターに向かい、8階で降りて高橋さんの部屋に足早に向かった。
何か、悪いことしちゃったな。
高橋さん。忙しかったみたいだし……。
玄関の前で表札を確認してからインターホンを押すと、静かに玄関のドアが少し開いた。
「お、おはようございます」
「おはよう」
「あ、あの、すみません。持って帰ってしまっていて、その……」
IDカードを高橋さんに差し出すと、高橋さんは左手でドアを押さえながら右手でIDカードを受け取ってくれた。
「ありがとう」
高橋さん?
何だか、いつもの高橋さんの声と違う。目も充血してるし、どうしたんだろう?
「あの……。高橋さん。どうかされましたか?」
「いや、何でもない」
しかし、少し開いたドアの隙間からよく見ると、高橋さんが来ているグレーのカーディガンの下はパジャマのようだった。
「高橋さん」
「わざわざ悪かったな。ありがとう。それじゃ……」
ジッと見ている私に気づいたのか、高橋さんがドアを閉めようとした時、一瞬、体が揺れてシューズボックスに手を突いた。
「た、高橋さん? 大丈夫ですか?」
驚いた拍子にドアの隙間から玄関の中に少し入ってしまったが、それどころじゃなかった。
すると、高橋さんはシューズボックスに右肘をついて、手首で額を押さえていた。
「た、高橋さん! どうしたんですか? 大丈夫ですか?」
「騒ぐ……な」
高橋さん?
驚いて高橋さんの真横に立って、思わず大きな声を出してしまっていたらしい。そのせいで高橋さんに止められたが、それすらも高橋さんは辛そうに言ってるように見えた。
「す、すみません。大丈夫ですか?」
「ああ。扁桃腺が腫れて、熱持ってるだけだ」

