全く気にしてないというような態度で接しないといけない。そうしないと、高橋さんはこの先も気にしてしまうだろうから。
もっと、気持ちを軽くしてあげないと……。
「高橋さん。私、気にしていないですよ?」
「……」
高橋さんは、黙って私の顔を見ている。
「お、大袈裟に言ってみましたが、それだけのことですから」
「それだけのこと?」
無理に笑みを作って見せたが、明らかに顔がひきつっているので、慌てて忙しく頷いて見せた。
「はい。だって、明良さんがおっしゃってましたけど、高橋さんにとって、キスは挨拶代わりのようなものなんですよね?」
「……」
「ほら、高橋さんは向こうで生活もされていたわけですし、ごく当たり前に挨拶のつもりでされたんだろうって思っていますから。それで、その……私と間違えてってことですよね? だから、私もそう思っていますから、気にしないで下さい。ただ、なかなか恥ずかしくて言い出せなかっただけですから。挨拶代わりのキスだったのに、変ですよね? 私……」
高橋さんに話ながら、何だかとんだ道化師のような気がしてきて情けなかったが、今、此処で泣いてしまっては元も子もない。高橋さんの気持ちが、少しでも軽くなるのならそれでいいのだから。
ミサという名前の女性が高橋さんにとって特別な存在だったことは、何となく明良さんの話から分かった。話に聞いていた、忘れられない人なのかもしれない。もし、そうだとしたら……まさか、その忘れられない人の名前を、私が知ってしまうことになるなんて……。
「それだけのことって、何だよ?」
「キャッ」
急に今まで見ていた景色が一転して、あっという間にシートベルトも外された。
「た、高橋さん?」
いきなり助手席のシートのリクライニングをフラットにされて、高橋さんの上半身が覆い被さってきた。
「あ、あの……」
高橋さんが、妖艶ともとれる怪しげな瞳で私を見ている。
「だったらしようぜ? その挨拶代わりのキスを」
嘘……。
「た、高橋さん。な、何、言ってるんですか」
「それだけのことなんだろう?」
うっ。
「ちょ、ちょっと待って下さい。高橋さん」
「待てない」
「ま、待って」
あっという間に、高橋さんの左手の親指と人差し指が私の顎を掴んだので、慌ててその手を上から右手で掴んでいた。
「手、邪魔」
もっと、気持ちを軽くしてあげないと……。
「高橋さん。私、気にしていないですよ?」
「……」
高橋さんは、黙って私の顔を見ている。
「お、大袈裟に言ってみましたが、それだけのことですから」
「それだけのこと?」
無理に笑みを作って見せたが、明らかに顔がひきつっているので、慌てて忙しく頷いて見せた。
「はい。だって、明良さんがおっしゃってましたけど、高橋さんにとって、キスは挨拶代わりのようなものなんですよね?」
「……」
「ほら、高橋さんは向こうで生活もされていたわけですし、ごく当たり前に挨拶のつもりでされたんだろうって思っていますから。それで、その……私と間違えてってことですよね? だから、私もそう思っていますから、気にしないで下さい。ただ、なかなか恥ずかしくて言い出せなかっただけですから。挨拶代わりのキスだったのに、変ですよね? 私……」
高橋さんに話ながら、何だかとんだ道化師のような気がしてきて情けなかったが、今、此処で泣いてしまっては元も子もない。高橋さんの気持ちが、少しでも軽くなるのならそれでいいのだから。
ミサという名前の女性が高橋さんにとって特別な存在だったことは、何となく明良さんの話から分かった。話に聞いていた、忘れられない人なのかもしれない。もし、そうだとしたら……まさか、その忘れられない人の名前を、私が知ってしまうことになるなんて……。
「それだけのことって、何だよ?」
「キャッ」
急に今まで見ていた景色が一転して、あっという間にシートベルトも外された。
「た、高橋さん?」
いきなり助手席のシートのリクライニングをフラットにされて、高橋さんの上半身が覆い被さってきた。
「あ、あの……」
高橋さんが、妖艶ともとれる怪しげな瞳で私を見ている。
「だったらしようぜ? その挨拶代わりのキスを」
嘘……。
「た、高橋さん。な、何、言ってるんですか」
「それだけのことなんだろう?」
うっ。
「ちょ、ちょっと待って下さい。高橋さん」
「待てない」
「ま、待って」
あっという間に、高橋さんの左手の親指と人差し指が私の顎を掴んだので、慌ててその手を上から右手で掴んでいた。
「手、邪魔」

