ロビーの椅子に座って明良さんを待っている間、昨日の夜、怪我をしてからのことを思い出していた。
「お待たせ」
エレベーターに乗って、高橋さんの部屋へと向かう。
部屋に近づくに連れて、全身の神経がすべて心臓に集中しているかのように、どんどん鼓動も早くなってきている。
明良さんが、高橋さんの部屋のインターホンを押した。
ああ……もう駄目。
鍵の開く音がして、ドアが開いた。
「ヨッ!」
「ヨッ! じゃねぇよ。お前、鍵持ってんだか……」
高橋さんが明良さんに話している途中で、明良さんの後ろに隠れるようにして立っていたが、直ぐに気づかれて高橋さんと目が合ってしまった。
「こ、こんにちは……」
高橋さんは私の姿を見てから、ちらっと明良さんの方を見たが、直ぐさままたこちらを見た。
「ちょっと、早く入れてよ。荷物重いんだからさあ」
明良さんは荷物を持って、ツカツカと部屋の中へと入って行ってしまった。
どうしよう……。帰りたい。
「上がって」
「あっ、はい……。お邪魔します」
明良さんに借りたサンダルを脱いで、ゆっくりリビングへと向かう。
「そこに、座ってて」
「はい……」
ソファーに座るよう、高橋さんに言われ、昨夜と同じようにソファーに座った。
高橋さんは仕事をしていたのか、パソコンの画面には数字が羅列されている。
やっぱり、来なければ良かった。
「足、大丈夫か?」
「えっ? あっ……はい」
まさか、昨日より腫れましたなんて言えない。
「おーい。そこの暇な会計士。こっち来て手伝え」
何故か、高橋さんがキョロキョロ後ろを見たりして、辺りの様子を伺っている。
「アンタしか、居ないっしょ」
明良さんが呆れた声で、キッチンのカウンター越しに上半身を乗り出しながら高橋さんに向かって言っている。
「ハッ? 俺? 俺は、忙しいんだよ」
プッ!
高橋さんと明良さんの会話は、本当に面白い。
「あの……明良さん。私、お手伝いしますよ」
立ち上がってキッチンへ向かおうとしたが、高橋さんが前に立ちはだかった。
「いいから、座ってろ」
「でも……」
高橋さんは、私の肩を押してソファーに座らせるとキッチンに入って行き、ああでもない、こうでもないと、2人で漫才のような会話をしながらランチの準備をしていた。
でも、何か手持ち無沙汰なので、静かに立ち上がってゆっくりと歩いて行き、カウンター越しにキッチンを覗いた。
「うわあ、面白そう」
明良さんと高橋さんが、春巻きの皮に大葉を1枚のせ、その上に海老を置いてクルクルと巻いている。
「陽子ちゃん。やってみる?」
「えっ?」
「でも、少しの間だけだよ。疲れちゃうから」
そう言うと明良さんは、もう1種類のライスペーパーがのったお皿をカウンター越しに私の前に置いてくれて、中の具になるであろう、きゅうりと蟹蒲鉾と鶏肉の刻んだものをのせたお皿を並べてくれた。
クルクル巻いてえーっと……。何だか、楽しいな。
「お待たせ」
エレベーターに乗って、高橋さんの部屋へと向かう。
部屋に近づくに連れて、全身の神経がすべて心臓に集中しているかのように、どんどん鼓動も早くなってきている。
明良さんが、高橋さんの部屋のインターホンを押した。
ああ……もう駄目。
鍵の開く音がして、ドアが開いた。
「ヨッ!」
「ヨッ! じゃねぇよ。お前、鍵持ってんだか……」
高橋さんが明良さんに話している途中で、明良さんの後ろに隠れるようにして立っていたが、直ぐに気づかれて高橋さんと目が合ってしまった。
「こ、こんにちは……」
高橋さんは私の姿を見てから、ちらっと明良さんの方を見たが、直ぐさままたこちらを見た。
「ちょっと、早く入れてよ。荷物重いんだからさあ」
明良さんは荷物を持って、ツカツカと部屋の中へと入って行ってしまった。
どうしよう……。帰りたい。
「上がって」
「あっ、はい……。お邪魔します」
明良さんに借りたサンダルを脱いで、ゆっくりリビングへと向かう。
「そこに、座ってて」
「はい……」
ソファーに座るよう、高橋さんに言われ、昨夜と同じようにソファーに座った。
高橋さんは仕事をしていたのか、パソコンの画面には数字が羅列されている。
やっぱり、来なければ良かった。
「足、大丈夫か?」
「えっ? あっ……はい」
まさか、昨日より腫れましたなんて言えない。
「おーい。そこの暇な会計士。こっち来て手伝え」
何故か、高橋さんがキョロキョロ後ろを見たりして、辺りの様子を伺っている。
「アンタしか、居ないっしょ」
明良さんが呆れた声で、キッチンのカウンター越しに上半身を乗り出しながら高橋さんに向かって言っている。
「ハッ? 俺? 俺は、忙しいんだよ」
プッ!
高橋さんと明良さんの会話は、本当に面白い。
「あの……明良さん。私、お手伝いしますよ」
立ち上がってキッチンへ向かおうとしたが、高橋さんが前に立ちはだかった。
「いいから、座ってろ」
「でも……」
高橋さんは、私の肩を押してソファーに座らせるとキッチンに入って行き、ああでもない、こうでもないと、2人で漫才のような会話をしながらランチの準備をしていた。
でも、何か手持ち無沙汰なので、静かに立ち上がってゆっくりと歩いて行き、カウンター越しにキッチンを覗いた。
「うわあ、面白そう」
明良さんと高橋さんが、春巻きの皮に大葉を1枚のせ、その上に海老を置いてクルクルと巻いている。
「陽子ちゃん。やってみる?」
「えっ?」
「でも、少しの間だけだよ。疲れちゃうから」
そう言うと明良さんは、もう1種類のライスペーパーがのったお皿をカウンター越しに私の前に置いてくれて、中の具になるであろう、きゅうりと蟹蒲鉾と鶏肉の刻んだものをのせたお皿を並べてくれた。
クルクル巻いてえーっと……。何だか、楽しいな。

