「此処で説明しないと、本当に後悔することになる。自分の取った行動には、責任をもて」
高橋さん……。
「そうやって、寄って集って研修生を苛めるんですね」
栗原さん?
「苛める? 誰が、誰を?」
折原さんが、直ぐに問い返した。
「だって、そうじゃないですか。まだ何も分からない研修生が良かれと思ってやったことを、どうしてそこまで問い詰めなきゃいけないんですか? これは、苛めですよ」
「これで、お相子ね」
「えっ? お相子?」
お相子?
何が、お相子なんだろう?
「苛めでも何でも、好きに取ってもらって結構だから。だけど、言わせてもらえば、私の書類を勝手に見たことはプライバシーの侵害にも当たるわよ?」
「でも、仕事上のことですよ?」
「たとえ仕事上のことだとしても、封筒に封がしてあれば、その封を開けるということは、封を破棄して開くという行為自体が問題となる。それは刑法第133条、親書開封罪に当たり、1年以下の懲役、または20万円以下の罰金もあり得るというれっきとした犯罪行為だ」
高橋さんが、栗原さんに説明したが、栗原さんは怯むことなくジッと折原さんを睨んでいた。
「でも、それとお相子と、どういう関係があるんですか?」
折原さんが言った 『お相子ね』 という言葉が栗原さんは凄く気になっているようだ。
「夕べ、貴女の家に泊まった時、どうしても仕上げたい書類があったから、貴女の家にあったパソコンを借りたのよ」
「えっ?」
「ああ。勿論、無断でなんて借りてないわよ?ちゃんと借りてもいいか貴女に聞いて、 『どうぞ』 って言われたから借りたの」
「ちょっと、待って下さい。私、まったくそんな話聞いてないです」
栗原さんが、かなり狼狽えている。
どうしたんだろう?
「あら? それも、忘れてしまったの? ああ、そう言えば、途中で栗原さんは寝てしまったものね。それで、今日プリントアウトするだけにしておこうと思ったんだけどね。貴女は寝てしまってて聞けなかったから、それから結構大変だったのよ。メモリースティックに落とすためにホルダーを一時的に借りようとして、あちらこちらいじっていたら、中傷ビラの原文が出て来て驚いたわ」
エッ……。
「そんな……」
思わず、声に出てしまっていた。
「何で、見たんですか!」
栗原さんが、折原さんを睨み付けながら吐き捨てるように言った。
「ならば、何故、私の書類を見たの? それも、矢島さんに預けたはずの書類を」
折原さんは、栗原さんに睨まれていても怯むことなく、問い返している。
「栗原さん。それが私信を読んでしまった者の私心だ。己は許されても、相手は許せない。まさにその通りだろう?」
「……」
「後は、上司に任せた。仕事があるから、もう行くわ」
折原さんはそう言って視線を高橋さんに移すと、この場を離れようとした。
「今、折原に謝らなかったら、一生後悔するぞ。栗原さん」
高橋さんが、栗原さんを促している。
栗原さん……。
「待って!」
行きかけた折原さんを、栗原さんが呼び止めた。
「すみません……でした」
栗原さん。
「いいわよ。気にしてない。さっきも言ったでしょう? これで、お相子だって」
折原さんは微笑みながらそう言うと、自分の席に戻っていった。
「さて、此処からは栗原さん自身のことだが……」
栗原さん自身のこと?
「折原の書類を開封して見てしまったことは、それは此処だけで押さえられるが、中傷ビラについては経理部長の知るところとなっているから、事は簡単にはいかない。それだけは、理解しておいて欲しい」
「はい……」
高橋さん……。
「そうやって、寄って集って研修生を苛めるんですね」
栗原さん?
「苛める? 誰が、誰を?」
折原さんが、直ぐに問い返した。
「だって、そうじゃないですか。まだ何も分からない研修生が良かれと思ってやったことを、どうしてそこまで問い詰めなきゃいけないんですか? これは、苛めですよ」
「これで、お相子ね」
「えっ? お相子?」
お相子?
何が、お相子なんだろう?
「苛めでも何でも、好きに取ってもらって結構だから。だけど、言わせてもらえば、私の書類を勝手に見たことはプライバシーの侵害にも当たるわよ?」
「でも、仕事上のことですよ?」
「たとえ仕事上のことだとしても、封筒に封がしてあれば、その封を開けるということは、封を破棄して開くという行為自体が問題となる。それは刑法第133条、親書開封罪に当たり、1年以下の懲役、または20万円以下の罰金もあり得るというれっきとした犯罪行為だ」
高橋さんが、栗原さんに説明したが、栗原さんは怯むことなくジッと折原さんを睨んでいた。
「でも、それとお相子と、どういう関係があるんですか?」
折原さんが言った 『お相子ね』 という言葉が栗原さんは凄く気になっているようだ。
「夕べ、貴女の家に泊まった時、どうしても仕上げたい書類があったから、貴女の家にあったパソコンを借りたのよ」
「えっ?」
「ああ。勿論、無断でなんて借りてないわよ?ちゃんと借りてもいいか貴女に聞いて、 『どうぞ』 って言われたから借りたの」
「ちょっと、待って下さい。私、まったくそんな話聞いてないです」
栗原さんが、かなり狼狽えている。
どうしたんだろう?
「あら? それも、忘れてしまったの? ああ、そう言えば、途中で栗原さんは寝てしまったものね。それで、今日プリントアウトするだけにしておこうと思ったんだけどね。貴女は寝てしまってて聞けなかったから、それから結構大変だったのよ。メモリースティックに落とすためにホルダーを一時的に借りようとして、あちらこちらいじっていたら、中傷ビラの原文が出て来て驚いたわ」
エッ……。
「そんな……」
思わず、声に出てしまっていた。
「何で、見たんですか!」
栗原さんが、折原さんを睨み付けながら吐き捨てるように言った。
「ならば、何故、私の書類を見たの? それも、矢島さんに預けたはずの書類を」
折原さんは、栗原さんに睨まれていても怯むことなく、問い返している。
「栗原さん。それが私信を読んでしまった者の私心だ。己は許されても、相手は許せない。まさにその通りだろう?」
「……」
「後は、上司に任せた。仕事があるから、もう行くわ」
折原さんはそう言って視線を高橋さんに移すと、この場を離れようとした。
「今、折原に謝らなかったら、一生後悔するぞ。栗原さん」
高橋さんが、栗原さんを促している。
栗原さん……。
「待って!」
行きかけた折原さんを、栗原さんが呼び止めた。
「すみません……でした」
栗原さん。
「いいわよ。気にしてない。さっきも言ったでしょう? これで、お相子だって」
折原さんは微笑みながらそう言うと、自分の席に戻っていった。
「さて、此処からは栗原さん自身のことだが……」
栗原さん自身のこと?
「折原の書類を開封して見てしまったことは、それは此処だけで押さえられるが、中傷ビラについては経理部長の知るところとなっているから、事は簡単にはいかない。それだけは、理解しておいて欲しい」
「はい……」

