明良さんは申し訳なさそうにそう言って、ウィンクをした。
駄目……また泣いてしまいそうだ。
この泣いてばかりいる私を高橋さんは誤解して、愛想を尽かして面倒臭いときっと感じて……。
泣いちゃいけないと思えば思うほど、ジワッと涙で明良さんの顔が揺らいでしまった。
「貴博と、何かあった?」
明良さんは敢えて気を遣ってか、左足首に湿布を貼ると、視線はこちらには向けずに黙々と包帯を巻きながら聞いてくれている。
不安で押し潰されそうな思いを、誰かに聞いてもらいたいという気持ちからか、明良さんに何となく聞いてもらいたいような気持ちになって、正直に話そうと口を開いた。
「昨日、あれから……」
明良さんに、昨夜のことを話し終えた後、少しの間、明良さんは黙って私の左足に巻かれた包帯を見つめていた。そして、私の足を静かに床に降ろすと顔を上げてソファーに座っている私に向き合うように、床に立ち膝をしながら座った
「だから、玄関にあのバッグが置いてあったんだ。ふーん……そうなんだ」
明良さんは、顎に手を当てながら何か考え込んでいる様子だった。
「じゃ、今からその誤解を解きに行こう」
エッ……。
パシッと、いきなり手で膝を叩き、明良さんが立ち上がった
「えっ? あ、明良さん。何言ってるんですか。無理ですよ。私……無理、無理です。絶対、無理ですから」
必死に、明良さんを説得する。
これ以上、高橋さんに嫌われたくないし、しつこいと思われたくない。
「こういうことは、早めに解決しないと駄目なんだよ。さあ、早く支度して」
支度してって、明良さん。
「ちょ、ちょっと、待って下さい」
左足を捻挫しているので、結局、明良さんに殆ど担がれるように、無理矢理バッグを持たされ車に乗せられてしまった。
しかし、明良さんが5メートルぐらい走り出したところで、急に車を停めた。
「いっけねえ……。俺、陽子ちゃん家の洗面所に、腕時計忘れてきちゃったみたいだ。取ってくるから、悪いけどちょっと鍵貸してくれる?」
「えっ? あっ、はい」
「ごめんね。ちょっと、待ってて。直ぐ戻るから」
「はい」
駄目……また泣いてしまいそうだ。
この泣いてばかりいる私を高橋さんは誤解して、愛想を尽かして面倒臭いときっと感じて……。
泣いちゃいけないと思えば思うほど、ジワッと涙で明良さんの顔が揺らいでしまった。
「貴博と、何かあった?」
明良さんは敢えて気を遣ってか、左足首に湿布を貼ると、視線はこちらには向けずに黙々と包帯を巻きながら聞いてくれている。
不安で押し潰されそうな思いを、誰かに聞いてもらいたいという気持ちからか、明良さんに何となく聞いてもらいたいような気持ちになって、正直に話そうと口を開いた。
「昨日、あれから……」
明良さんに、昨夜のことを話し終えた後、少しの間、明良さんは黙って私の左足に巻かれた包帯を見つめていた。そして、私の足を静かに床に降ろすと顔を上げてソファーに座っている私に向き合うように、床に立ち膝をしながら座った
「だから、玄関にあのバッグが置いてあったんだ。ふーん……そうなんだ」
明良さんは、顎に手を当てながら何か考え込んでいる様子だった。
「じゃ、今からその誤解を解きに行こう」
エッ……。
パシッと、いきなり手で膝を叩き、明良さんが立ち上がった
「えっ? あ、明良さん。何言ってるんですか。無理ですよ。私……無理、無理です。絶対、無理ですから」
必死に、明良さんを説得する。
これ以上、高橋さんに嫌われたくないし、しつこいと思われたくない。
「こういうことは、早めに解決しないと駄目なんだよ。さあ、早く支度して」
支度してって、明良さん。
「ちょ、ちょっと、待って下さい」
左足を捻挫しているので、結局、明良さんに殆ど担がれるように、無理矢理バッグを持たされ車に乗せられてしまった。
しかし、明良さんが5メートルぐらい走り出したところで、急に車を停めた。
「いっけねえ……。俺、陽子ちゃん家の洗面所に、腕時計忘れてきちゃったみたいだ。取ってくるから、悪いけどちょっと鍵貸してくれる?」
「えっ? あっ、はい」
「ごめんね。ちょっと、待ってて。直ぐ戻るから」
「はい」

