「何が?」
「駅までの道、分かりましたか? 分かりづらくて、結構迷子になっちゃう男子とか居るんですよお」
迷子になっちゃう男子?
ということは、栗原さんの家に頻繁に男子が出入りしてるってこと? な、何か、堂々と言われると、こっちが恥ずかしくなってしまう。
確かに、成人しているのだから問題ないというか、私だって高橋さんや明良さんが家まで送ってくれることも多々あるのだから、他人のことは言えた義理ではないけれど……。
「大丈夫。最初から、携帯のマップ見ながら駅まで行ったから。それに、昨日はタクシーだったでしょう?」
「えっ? タクシーで、私の家まで来てくれたんですか?」
折原さん……。
昨日、あれから大変だったんだ。
「あら? そんなことも、覚えてないの?」
「えへへ……。すみません。全く記憶なくしてます。でも、高橋さんは何処まで一緒だったんですか?」
栗原さんの質問に、思わず折原さんを直視してしまった。
「さあ……。何処までだったかしら? 私も忘れちゃったわ。あっ。矢島ちゃん」
「は、はい」
「この書類、預かってくれるかな?」
書類?
「高橋が戻ってきたら、渡してくれる?」
「はい。分かりました。お預かりしま……」
あっ……。
「それなら、私が」
折原さんが差し出した書類の入った封筒を受け取ろうとしたが、既の所で栗原さんの右手が出て来て先に封筒を受け取られそうになった。
「私は、栗原さんにではなく、矢島さんにお願いしてるのよ?」
栗原さんが先に受け取ろうとした書類の入った封筒を、背の高い折原さんはサッとあげたので、栗原さんも流石に届かず空振りをしていた。
「でも、私の方が高橋さんと席も隣ですし、殆ど一緒に行動してますから」
殆ど一緒に行動してますからって……。
「そうなの。それは、良かったわね。色々と、勉強になるでしょう?」
「はい。ですから、私が……」
何か、凄いな。はっきり物事を言える、物怖じしない栗原さんの積極的な性格。私に足りない部分を、栗原さんは持ち合わせている。
「ありがとう。でも、社内的なことだから」
「そうですかあ?」
「矢島ちゃん。じゃあ、これお願いね」
「はい。お預かりします」
「それじゃ」
折原さんは、また直ぐ席の方へと戻っていってしまった。
「チッ……ったく……」
エッ……。
舌打ちのような声に栗原さんを見ると、戻っていく折原さんの背中を凄い形相で睨み付けている。
こ、怖いな。
折原さんから預かった書類の入った封筒を机の引き出しにしまい、時計を見るとちょうど12時になろうとしていたので、重い腰を上げて栗原さんを誘ってランチに行こうと決めた。
「栗原さん。ランチに行きましょう?」
「はあい。お腹空きましたよ」
栗原さんと一緒に事務所を出て社食に向かうと、ちょうど混み始めていたので急いで定食を買って空いている席を見つけて座った。
「駅までの道、分かりましたか? 分かりづらくて、結構迷子になっちゃう男子とか居るんですよお」
迷子になっちゃう男子?
ということは、栗原さんの家に頻繁に男子が出入りしてるってこと? な、何か、堂々と言われると、こっちが恥ずかしくなってしまう。
確かに、成人しているのだから問題ないというか、私だって高橋さんや明良さんが家まで送ってくれることも多々あるのだから、他人のことは言えた義理ではないけれど……。
「大丈夫。最初から、携帯のマップ見ながら駅まで行ったから。それに、昨日はタクシーだったでしょう?」
「えっ? タクシーで、私の家まで来てくれたんですか?」
折原さん……。
昨日、あれから大変だったんだ。
「あら? そんなことも、覚えてないの?」
「えへへ……。すみません。全く記憶なくしてます。でも、高橋さんは何処まで一緒だったんですか?」
栗原さんの質問に、思わず折原さんを直視してしまった。
「さあ……。何処までだったかしら? 私も忘れちゃったわ。あっ。矢島ちゃん」
「は、はい」
「この書類、預かってくれるかな?」
書類?
「高橋が戻ってきたら、渡してくれる?」
「はい。分かりました。お預かりしま……」
あっ……。
「それなら、私が」
折原さんが差し出した書類の入った封筒を受け取ろうとしたが、既の所で栗原さんの右手が出て来て先に封筒を受け取られそうになった。
「私は、栗原さんにではなく、矢島さんにお願いしてるのよ?」
栗原さんが先に受け取ろうとした書類の入った封筒を、背の高い折原さんはサッとあげたので、栗原さんも流石に届かず空振りをしていた。
「でも、私の方が高橋さんと席も隣ですし、殆ど一緒に行動してますから」
殆ど一緒に行動してますからって……。
「そうなの。それは、良かったわね。色々と、勉強になるでしょう?」
「はい。ですから、私が……」
何か、凄いな。はっきり物事を言える、物怖じしない栗原さんの積極的な性格。私に足りない部分を、栗原さんは持ち合わせている。
「ありがとう。でも、社内的なことだから」
「そうですかあ?」
「矢島ちゃん。じゃあ、これお願いね」
「はい。お預かりします」
「それじゃ」
折原さんは、また直ぐ席の方へと戻っていってしまった。
「チッ……ったく……」
エッ……。
舌打ちのような声に栗原さんを見ると、戻っていく折原さんの背中を凄い形相で睨み付けている。
こ、怖いな。
折原さんから預かった書類の入った封筒を机の引き出しにしまい、時計を見るとちょうど12時になろうとしていたので、重い腰を上げて栗原さんを誘ってランチに行こうと決めた。
「栗原さん。ランチに行きましょう?」
「はあい。お腹空きましたよ」
栗原さんと一緒に事務所を出て社食に向かうと、ちょうど混み始めていたので急いで定食を買って空いている席を見つけて座った。

