トレーを持って席を立ち、配膳返却口に置いてからパウダールームに入ると、またあの朝と同じような独特の視線を感じた。
きっと、経理の事務所内から人伝に広がっているんだろうな。知らない部署の人までもが、私の顔を見て隣の人とヒソヒソ話をしている。
けれど、朝ほどの不安や焦りはない。高橋さんがくれた付箋に書いてあった文字を思い出し、そして折原さんが言ってくれた言葉を思い出しながら、気にしないようにした。
夕方近くになると、栗原さんが楽しそうに独り言を言いながらウキウキしているのが、隣に座っていても分かった。
そうだった……。
昨日、栗原さんが駐車場のエントランスで言ってたことを思い出した。 『明日、研修生達と部長さん以上の方々との懇親会があるんですって。凄く楽しみです……同期のみんなに自慢しちゃいますからね。高橋さんのこと。絶対、一番格好いいと思うから』 と、まるで合コンのノリで話していた。
ということは、高橋さんも一緒に行ってしまうんだ……。
退社時間の17時になって栗原さんが退社すると、社食で17時半から行われるらしく、高橋さんも出席するために、懇親会が始まる10分前ぐらいに社食に行ってしまった。
退社時間は過ぎていたが、まだ書類の整理が終わっていなかったので、中原さんと一緒に書類の整理をしていた。
「うおっ。此処も間違ってるよ、栗原さん。参ったな……。書類の整理するファイル自体も、間違えてるジャン」
中原さんが、嘆きながら綴じてあったファイルの中身を外して、本来綴じなければならないファイルに綴じなおしている。
「これじゃ、お手上げだよなあ。全部、見直さないと……」
「何、悲壮感漂った声出してるの? 中原」
すると、折原さんがコピーの帰りだろうか。書類を片手に持って現れた。
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
「さては、研修生の逆洗礼を受けてるわね」
「はあ……」
中原さんの肩を叩いてそう言うと、折原さんが小声で中原さんに何か言っていた。
きっと、帰りに寄っていかないかというお誘いの話だろう。
「分かりました」
「ヨシ! 話は決まった。2人共、切りのいいところで仕事はおしまいにして声掛けてよ」
「はい」
「は、はい」
切りのいいところで書類の整理を終わらせて、18時半過ぎに3人で向かった先は、駅の向こう側にある居酒屋だった。
「乾杯」
きっと、経理の事務所内から人伝に広がっているんだろうな。知らない部署の人までもが、私の顔を見て隣の人とヒソヒソ話をしている。
けれど、朝ほどの不安や焦りはない。高橋さんがくれた付箋に書いてあった文字を思い出し、そして折原さんが言ってくれた言葉を思い出しながら、気にしないようにした。
夕方近くになると、栗原さんが楽しそうに独り言を言いながらウキウキしているのが、隣に座っていても分かった。
そうだった……。
昨日、栗原さんが駐車場のエントランスで言ってたことを思い出した。 『明日、研修生達と部長さん以上の方々との懇親会があるんですって。凄く楽しみです……同期のみんなに自慢しちゃいますからね。高橋さんのこと。絶対、一番格好いいと思うから』 と、まるで合コンのノリで話していた。
ということは、高橋さんも一緒に行ってしまうんだ……。
退社時間の17時になって栗原さんが退社すると、社食で17時半から行われるらしく、高橋さんも出席するために、懇親会が始まる10分前ぐらいに社食に行ってしまった。
退社時間は過ぎていたが、まだ書類の整理が終わっていなかったので、中原さんと一緒に書類の整理をしていた。
「うおっ。此処も間違ってるよ、栗原さん。参ったな……。書類の整理するファイル自体も、間違えてるジャン」
中原さんが、嘆きながら綴じてあったファイルの中身を外して、本来綴じなければならないファイルに綴じなおしている。
「これじゃ、お手上げだよなあ。全部、見直さないと……」
「何、悲壮感漂った声出してるの? 中原」
すると、折原さんがコピーの帰りだろうか。書類を片手に持って現れた。
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
「さては、研修生の逆洗礼を受けてるわね」
「はあ……」
中原さんの肩を叩いてそう言うと、折原さんが小声で中原さんに何か言っていた。
きっと、帰りに寄っていかないかというお誘いの話だろう。
「分かりました」
「ヨシ! 話は決まった。2人共、切りのいいところで仕事はおしまいにして声掛けてよ」
「はい」
「は、はい」
切りのいいところで書類の整理を終わらせて、18時半過ぎに3人で向かった先は、駅の向こう側にある居酒屋だった。
「乾杯」

