堪えきれなくて、くしゃみをしてしまった。
「フッ……」
すると、高橋さんが、ふわっと笑って下を向いた。
「これで……ば……な……かもな」
エッ……。
何?
高橋さんが下を向いたまま、何かを言ったみたいだったけれど、ちょうど風の音でよく聞き取れなかった。
「あの……今、何て……」
「さて、風邪ひかないうちに帰るぞ」
「は、はい」
聞き返そうとしたけれど、途中で高橋さんに言葉を遮られてしまった。
高橋さんは、何て言ってたんだろう? 凄く気になる……。
助手席のドアを開けて私を先に乗せてくれると、高橋さんは車のエンジンを掛けてから敷いていたブランケットをトランクにしまい、車を発進させた。
「あの……」
「ん?」
「さっき、何ておっしゃったんですか?」
「さっき?」
高橋さんは運転しながら返事をしてくれたが、逆に聞き返されてしまった。
「あっ、あの、さっき私がくしゃみをした後です」
「何だったかな? もう忘れたな」
高橋さん……。
「ほら、そこ。タヌキ」
「えっ? 何処ですか?」
「左側のガードレールの影。目が光ってるだろう?」
「あっ。本当だ。うわあ、タヌキだ」
タヌキにも、本当に遭遇してしまった。
これで、鹿にもタヌキにも遭遇できて、何だかとても満足している。
山道を下りながら、高橋さんはイタチも遭遇したという話をしてくれたので、今度はイタチを探そうと思って目を凝らしていたが、そのうち山道を下りきってしまい、車の往来の激しい一般道に出てしまったため、イタチは見ることができなかった。
その後、帰りの車の中では、先ほど見た星の話で持ちきりになり、星の話から月の話や宇宙の話や宇宙にまつわる映画の話をしていたが、高橋さんに謝れたことで安心したせいか、いつの間にか眠ってしまっていた。
「もしもし……」
あれ? 高橋さんの声?
目を開けて辺りを見渡すと、やっと現実の世界が見えてきて、今、高橋さんの車の助手席に座っていることに気づいた。
嘘。
嫌だ。私、寝ちゃってたんだ。
「す、すみません。あの、寝ちゃ……」
見ると、高橋さんは誰かと電話をしていて、慌てて口を押さえようとして気づいた。知らぬ間に、高橋さんがスーツのジャケットを私の上半身に掛けてくれていた。
さっきの出来事は、夢?
満天の星空の下で、高橋さんと星を見たのは夢だった?
まさか……。
「ああ……分かった。それじゃ、おやすみ」
「フッ……」
すると、高橋さんが、ふわっと笑って下を向いた。
「これで……ば……な……かもな」
エッ……。
何?
高橋さんが下を向いたまま、何かを言ったみたいだったけれど、ちょうど風の音でよく聞き取れなかった。
「あの……今、何て……」
「さて、風邪ひかないうちに帰るぞ」
「は、はい」
聞き返そうとしたけれど、途中で高橋さんに言葉を遮られてしまった。
高橋さんは、何て言ってたんだろう? 凄く気になる……。
助手席のドアを開けて私を先に乗せてくれると、高橋さんは車のエンジンを掛けてから敷いていたブランケットをトランクにしまい、車を発進させた。
「あの……」
「ん?」
「さっき、何ておっしゃったんですか?」
「さっき?」
高橋さんは運転しながら返事をしてくれたが、逆に聞き返されてしまった。
「あっ、あの、さっき私がくしゃみをした後です」
「何だったかな? もう忘れたな」
高橋さん……。
「ほら、そこ。タヌキ」
「えっ? 何処ですか?」
「左側のガードレールの影。目が光ってるだろう?」
「あっ。本当だ。うわあ、タヌキだ」
タヌキにも、本当に遭遇してしまった。
これで、鹿にもタヌキにも遭遇できて、何だかとても満足している。
山道を下りながら、高橋さんはイタチも遭遇したという話をしてくれたので、今度はイタチを探そうと思って目を凝らしていたが、そのうち山道を下りきってしまい、車の往来の激しい一般道に出てしまったため、イタチは見ることができなかった。
その後、帰りの車の中では、先ほど見た星の話で持ちきりになり、星の話から月の話や宇宙の話や宇宙にまつわる映画の話をしていたが、高橋さんに謝れたことで安心したせいか、いつの間にか眠ってしまっていた。
「もしもし……」
あれ? 高橋さんの声?
目を開けて辺りを見渡すと、やっと現実の世界が見えてきて、今、高橋さんの車の助手席に座っていることに気づいた。
嘘。
嫌だ。私、寝ちゃってたんだ。
「す、すみません。あの、寝ちゃ……」
見ると、高橋さんは誰かと電話をしていて、慌てて口を押さえようとして気づいた。知らぬ間に、高橋さんがスーツのジャケットを私の上半身に掛けてくれていた。
さっきの出来事は、夢?
満天の星空の下で、高橋さんと星を見たのは夢だった?
まさか……。
「ああ……分かった。それじゃ、おやすみ」

