野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました

ほら〜。聞かれちゃったじゃん。



「大丈夫、そんな顔すんなってねぇ、聞いて?俺も」



そう言ってルカくんは私の手を自分の心臓に持っていった。


トク…トク…トク


バッとルカくんを見る。まるで秘密がバレてしまったかのような顔をして笑っていた。


恥ずかしさなんてとっくに消え去っていた。



「おんなじだな」



「うんっ」



私は元気よく返事をした。ルカくんも同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった。


もういいかなって思った。自分の気持ちに嘘をつくのは、正直言って辛かった。好きじゃない、好きじゃないって思うのは。



「ルカくん………」



「どうした?」



「あのね、、」



「伝えづらかったらゆっくりでいいよ?」



優しいな、と思った。こういう所も惹かれるポイントなんだろうなって思った。


私は迷った。考えて、考えて、考えた。


やっぱり伝えたい‼︎


そう思ってる自分がいた。


ルカくんのハグする腕の力が強まった。私も恐る恐る力を込める。



「ルカくん、」



顔、見れない。



「私……は」



やだ。目を見て言いたい。


思いきって顔を上げてみる。


ルカくんはこの上ない笑顔で私の瞳を見つめていた。