野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました

「ん?」



「ム、ムイシキデスカ?」



「ん〜、これは心羽に堕ちてもらいたいからやってるだけ。いつでも堕ちてきていいよ」



なぬっ!


吸血するときは必ずどちらかの家に行くのが恒例になっていた。ルカくんの家はご両親の帰りが遅いらしい。だから大体、ルカくんの家で吸血されていた。


誰も見ていないことをいいことに私達はその、なんというか…い、いちゃいちゃしていた。


でも流石にさっきのはあざと過ぎでは⁉︎


私はさっきから顔を赤くしてばっかりだ。それに比べてルカくんはサラッと涼しい顔をしている。それが何だか悔しかった。


私は考えた。そこで思いついたのだ。ここはルカくんの部屋。ルカくんの後ろはベットだ。よし、押し倒しちゃえ。


えい!



「……あれ?」



びくともしない。



「普通はさ、こうだよ、心羽?」



ぐるり


そう言われた途端、天地が逆転した。目の前には整った綺麗な顔。そうか私押し倒されちゃったんだ。


でもそう思ったのも束の間、ルカくんは私の上から退いた。



「ごめん、これ以上は抑えられなくなる」



そう言って、私に手を差し出した。迷わずその手を取る。そしてグイッと引っ張られて上半身を起こされた。


「抑え?なんの?」