それだけ好きなのかな、ルカ君のこと。



「心羽!」



あぁ、幻聴まで聞こえる。



「心羽!」



えっ?


本物⁉︎



「先生!こっちです」



あぁ、茉莉花の声もする。


助けに来てくれたの?


ありがとう…そこまで思って私は眠りについた。


ルカくんと茉莉花の「心羽」と呼ぶ声が聞こえた気がする。


私が起きたとき、もう既に夕日は傾きかけていた。



「あら、おはよう。姫野さん」



「お、おはようございます」



ここはどこだろう。先生からして保健室だろう。



「ちょっと待っててね。今、月城さんと天堂くん呼んでくるから」



「はい」



そっか、私拉致られて、暴力振るわれてたんだっけ。


服ははだけてなかった。


きっと誰かが着せてくれたのだろう。


私のお腹には湿布が貼られていた。



「ここはぁ、良かった。目が覚めて本当に良かった」



ガラリと開いたドアから猛烈なスピードで茉莉花が突っ込んで来た。


泣いたのだろう。可愛らしい目が赤く、腫れぼったくなっていた。



「心羽‼︎」



「キャッ」



なぜこうもみんなして突っ込んでくるのだろう。


一応これでも怪我人なのですが?


でも今はそんなのどうでも良かった。