最強総長の愛するボディガード



私は思わず蒼凰さんの名前を呼ぶ。
だって明らかに、蒼凰さんが思い詰めた顔をしていたから。
蒼凰さんは一度足を止めて、消え入りそうな声で言う。



「俺のせいでこんな怪我負わせて……ごめん……っ」



え……



「蒼凰さんのせいじゃないですよっ、それにこのくらい大丈夫です!ボディガードの仕事に支障は出てしまうかもしれませんけど、私は蒼凰さんが無事で良かったですっ!」



これは紛れもない本心。
五階のフロアに駆け込んできた蒼凰さんを見て、私は今までにない安心感を覚えた。
しかも、なぜだか分からないけど、それは護衛対象が無事だったからではなく、“蒼凰さんが”無事だったから安心したのだ。



「だから蒼凰さん、自分のせいなんて言わないでください」
「……うん、ありがとう心羽ちゃん」



その後私は蓮見家へ帰り、お医者様に治療をしてもらった。
でも完治するまでは三ヶ月かかるし、日常生活が出来るようになるのもあと一ヶ月は先だ。



これじゃボディガードの仕事が……