えっ、この二人こんな時まで喧嘩!?
「ちょっと二人とも、喧嘩はあとにしてください!」
そう注意すると、二人は同時に驚きの顔を浮かべて。
「え、喧嘩?」
「違うんですか?」
「いや、違うとも言い切れないけど……」
「まさかこいつ、俺らの気持ち気づいてねぇんじゃ……」
「いやいや、だって俺ちゃんと言ったよね?」
二人は顔を見合わせた後、同時に長いため息をつく。
なになにどうして!?
私の知らない話!?
気になっているアピールを目線でしてみたものの、結局二人はマジか嘘だろなんだの言って、私に教えてはくれなかった。
喧嘩?も蒼凰さんが彰人を無視して下の階へ降り始めたため、彰人が諦めることによって終結した。
警察に連絡を入れている彰人を置いて、蒼凰さんは私を慎重に運びながら言う。
「もう下に車呼んであるから、アジトじゃなくて家に帰って主治医に診てもらって」
「はいっ、ありがとうございますっ」
「……心羽ちゃん」
「はい。あれ……蒼凰さん?」



