最強総長の愛するボディガード



小回りが効かないなら、恵まれた体でも邪魔なだけですよ。



私は急所を殴って、相手を気絶させる。
そうしてその場にいた五人全員を難なく倒し、私は五階へと上がって行った。
今まで以上に警戒して素早く中へ入ると、そこは一面の広いフロアで、二十人ほどの敵が。



これは〜……久しぶりに頑張らないとかも……



パッと見危ない武器を持っているような人は見当たらないから、私も引き続き素手で戦おうと身構える。
すると、奥の方から人をかき分けて前に出てくる人物が一人。
最初に倒した人よりも更に大柄で、刺青が目立つ。
周りの人が避けてその人の通る道を作っていたことから、きっと立場が上の人なのだろう。
様子を伺っていると、その人は口を開く。



「お前、蓮見蒼凰のボディガードか?さっきまで隣にいただろ」
「……」



さっきの視線はこの人のものだったんだ……
あの殺気は“慣れている”人の殺気だった。
この人を倒すのは、一筋縄じゃいかないかも……



敵の質問に答えるわけにはいかず、私は沈黙を守り続ける。