「だから、ごめん。別れて」
「うん……」
気がつけば、わたしはそう頷いていた。
わたしと京ちゃんの日々、終わっちゃった……。
「京せんぱーい!」
京ちゃんを呼ぶ、可愛らしい女の子が手を振って近づいてきたので、わたしは思わず目を逸らした。
……一瞬しか見なかったけれど、写真で写っていた女の子と同じだ。
「おお、麻未(あさみ)。さ、行こうぜー」
「はい! 今の人は?」
「中学で一緒だった奴、偶然会っただけ」
背中越しに聞こえてくる会話が聞こえなくなるくらいまで、一刻もその場を離れたかったのだけれどなぜだか足が重くて速く走れなかった。



