「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ


「百々葉ー!」



「翠(すい)!」



帰りのホームルームのことだった。


慌ただしく、わたしの方へやってきたのは、小学生の頃からの親友の一条 翠(いちじょう すい)。


黒髪ロングで、前髪をいつもきれいにあげていて、スッとした鼻。そして、ちょっとつり眉といった、可愛いというよりきれいな感じの女の子。



「ちょっとこれ見てほしくて」



翠がスマホで見せてきたのは、京ちゃんと女の子だった。


駅にある、アイスの自販機のそばで2人ともそれぞれ買ったアイスを手に持っていて、幸せそうに微笑み合っている。

まぁ、妬けるけど別に束縛したくないから好きにさせてあげたい。
仲の良い友達かもしれないしね。



「学校の知り合いかなんかじゃない?」



「他の写真も見て」



ほっぺたをツンツンとしたり、髪をくしゃくしゃに撫でたり、すごく可愛がっているように見える。



「まだあるの」



他に見せてくれた写真は、京ちゃんとその女の子が手を繋いでいた写真だった。
手を拡大していると、恋人繋ぎになっているのがわかった。