「ああ! 小鳥さんと一条さん、ちょうどいうところに来てくれたね!」
1週間が経った頃。
颯人くんが、チケットを掲げながらわたし達を呼んでいる。
横には、ひーくんも一緒だ。
「どうしたの?」
わたしと翠が、小走りで颯人くんとひーくんに近づく。
「あのさ、このチケット。俺と久、他の友達と映画見る予定だったんだけど、その2人が急に行けなくなっちゃって。だから、小鳥さんと一条さん、どうかなって思ったんだけど」
「えっと、ちなみにいつの……?」
ドキドキした気持ちを隠したような表情で、翠が颯人くんに聞く。
「えーっと、今週の日曜日だけど」
「あたしは平気! 百々葉は?」
「わたしもないけどっ……」
「おし、決まりね! じゃあ、今週の日曜、楽しみにしてるね!」
「えっ……?」
わたしが言葉を濁している間に、今週の日曜日の予定が埋まってしまったみたい。



