「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ


「ただいまー」



「おかえり、百々葉」



わたしが翠の家から帰ると、キッチンから恵理奈の声がした。



「ご飯ならまだだよ。今、ミートボール作ってるから、待ってて」



キッチンを覗いてみると、恵理奈がミートボールにする豚ひき肉を混ぜていた。



「恵理奈。今日、翠の家でね、お土産としてカップケーキもらって帰ってきたの。恵理奈と沙也加の分もあるから、食べてよ」



わたしはそう言って、リビングのテーブルに恵理奈の分のカップケーキが入った袋を置く。



「ああ、ありがと。沙也加なら、夏彦(なつひこ)お兄ちゃんのとこにいるから、行っておいで」



恵理奈は、手を動かしたままこっちの方をチラリとも見ないで、そう言った。



「うん」



わたしは、恵理奈が教えてくれた部屋のドアをガラリと開けた。