「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ


次の日、学校には行ったけれど気持ちの切り替えは全然できていなかった。


ホームルームで話している先生の言葉も、何一つ頭に入ってこない。


そのまま授業に出る気も起きず、先生には「気分が悪いので保健室に行ってきます」とだけ言って、さぼった。


……始めて、授業さぼっちゃったな。



「はぁー……」



まるで自分が不良みたいで、気分が落ち着かない。



「お前……そんなとこで何やってんだよ。今、授業中だろ?」



低い声が、頭上から降りかかってきた。



「はっ!」



嘘……。
聞いたことのない声だ。
大人びた声だし、先生かな?


もしかして怖い先生に、授業をさぼったことがバレちゃった?


そう思っておそるおそる顔を上げると、制服をきれいに着こなした男の子。


あっ、よかった。先生じゃなかった。

思わず安心して、息がもれた。



「あなたこそ……」



「俺、今来たとこなんだよ」



そう言った彼の手には、確かにスクールバッグが握られて学校に来たばっかりだということがわかる。



「遅刻ってこと……?」



「そ。寝坊だよ」



って、それじゃあわたしが授業をさぼったことをとやかく言う権利はないんじゃない?


なんて思ったけど、言わないでおいた。



「もしかしてさぼってんの?」