京ちゃん、どうして。
どうして、こんなことになっちゃったの……。
そりゃあ、違う高校に通っていて辛い過去から完全には抜け出せていないわたしよりも、同じ学校で明るくて元気な女の子の方がいいに決まっているだろう……。
それは分かっている、分かってはいるけれど……。
わたしのこと、知っていてくれたよね?
わたしの家庭事情、聞いたよね?
あの時、言ってくれたよね。
『俺が、百々葉の未来を、過去と正反対ってくらいに、幸せにする』
あの言葉は、なんだったの?
嘘じゃなかったかもしれない。
後輩と会わなかったから、まだ付き合っていてくれたのかな。
わたしはとっくに電車に飛び乗ってしまったので、当然彼の姿は見えない。
でも、今頃後輩の女の子と笑っているんだろう。
両思いの可愛い彼女と、幸せな気持ちをシェアしているんだろう。
京ちゃん、さよなら。



