「ウェズリー殿下、ミシェル様……本当にお帰りになられるのですか! 私たちが出て行きますのでどうぞ、ごゆっくり……」

 身支度も整えていない公爵が部屋から飛び出してきたような格好で出てきた。

 

「見苦しいぞ公爵、既に用意は済ませたから一刻も早くこの場から出て行く、もう二度と会う事はないかもしれんが息災でな」

「そ、そんな……」

 昨日に引き続き崩れ落ちた公爵様。






 その後はなんとなくお察しの通りですが、離宮に無理やり侵入してウェズリー様の婚約者である私を散々貶した公爵家の二家は降爵となり、領地の没収と莫大な罰金刑。 



 南の国の第三王子であるウェズリー様は私も軽く見られたものだ。ここまでバカにされるとはなぁ。と言ったそうです。
 

 二家とも伯爵家となったようですが、莫大な罰金のせいで伯爵家といっても領地もなくなり、肩身の狭い思いをすることになりそうです。

 お家取りつぶしも考えたそうですが、散々馬鹿にした伯爵家になり、領地による収入源もたたれるのです。


 放っておけば近いうちに勝手に潰れるだろう。陛下から睨まれて、それでも助ける家があると思う? そんな命知らずな家はない! という事です。

 ウェズリー様……怖い。