「そろそろ部屋を見てくる?」

「はい、そうですね」


 案内人が部屋へと案内してくれた。部屋へ入ると広い室内に高い天井。無駄に豪華な室内で目が眩みそうだった。


「来客用のお部屋で一番良いお部屋を陛下がご用意しました」


 案内人に言われたが落ち着かない部屋だ。と思った。



 それに……



「わたくしも同じ部屋、ですか?」



 同じ部屋とはいえ、扉で行き来できる構造だった。気を遣ってくれたのか、そう言うものなのか分からないが結婚前の男女だぞ! どうしてくれるんだ! と言う気持ちになったが、気持ちを抑えた……


「……同じ空間に居るだけだよ。メイド達もいるし過ぎたことはしないと誓うよ。鍵もついているし、内鍵をかけてくれ」


 ミシェルのおでこにキスを落とし安心させた。

「はい、そうですよね。気にし過ぎました、恥ずかしいですわ」



 ……気にはしてくれたんだ。頬を染めて可愛いじゃないか! 目が眩みそうになったのは言わないでおこう。


 豪華絢爛の広い部屋のバルコニーだけは気に入った。湖や木々が美しく見えるから。湖面から吹き込む風によって涼しく感じる。



「ミシェル疲れてる?」


「いえ、平気です」


「せっかくだから少し散策に行こうか?」

「はい! 良いですね」



 部屋にいると無性に意識してしまいそうで外の空気を吸いに行くことにした。