「あら、誰かと思えばイネスじゃない」
冷たく厳しい声音にイネスは思わず息を呑む。それからゆっくりと、優雅に見えるよう、慎重に頭を下げた。
「ご無沙汰しております、お姉さま」
「ええ本当に。便りもなにも寄越さないなんて薄情な妹よね。――――だけど、仕方がないかしら。貴女はそういう世間の常識が、なんにも分かっていないのだから」
心を抉るようなイザベルの言葉。イネスはギュッと目を瞑った。
「お久しぶりです、妃殿下」
そのとき、イネスを隠すようにして、リオネルがイザベルの前に立つ。
イザベルはパッと瞳を輝かせ、ニコリと笑みを浮かべた。
「あら、リオネル。殿下への挨拶は済んだの?」
「いいえ、これから向かうところです」
気心知れた様子で言葉をかわす二人。イネスは思わず口を開いた。
冷たく厳しい声音にイネスは思わず息を呑む。それからゆっくりと、優雅に見えるよう、慎重に頭を下げた。
「ご無沙汰しております、お姉さま」
「ええ本当に。便りもなにも寄越さないなんて薄情な妹よね。――――だけど、仕方がないかしら。貴女はそういう世間の常識が、なんにも分かっていないのだから」
心を抉るようなイザベルの言葉。イネスはギュッと目を瞑った。
「お久しぶりです、妃殿下」
そのとき、イネスを隠すようにして、リオネルがイザベルの前に立つ。
イザベルはパッと瞳を輝かせ、ニコリと笑みを浮かべた。
「あら、リオネル。殿下への挨拶は済んだの?」
「いいえ、これから向かうところです」
気心知れた様子で言葉をかわす二人。イネスは思わず口を開いた。



