「――――王宮に?」
「ああ。王太子に呼ばれているんだ。俺は彼の近衛騎士として働いていたからな」
「まぁ! そうでしたの……」
夕食の席で明かされた思いがけない事実に、イネスは密かに息を呑む。リオネルは小さく頷くと、カトラリーをそっと置いた。
「それで、しばらくの間王都に滞在するのだが、移動期間も含めて三ヶ月ほど屋敷を留守にすることになってしまうんだ」
「……! そう、ですか」
領地から王都までのんびり馬車で行って一ヶ月ほどかかる。この上、遠路はるばる王都に行くのだから、会いたい人もいるだろうし、色々と仕事もあるのだろう。それは仕方がないことだ。
(だけど、分かっていても寂しいわ……)
婚姻期間は短いが、イネスにとってリオネルはもう、かけがえのない人になりつつあった。
聞いてて恥ずかしくなるような甘い言葉も、熱い抱擁も、三ヶ月もの間お預けになると思うと、心がズンと沈んでしまう。
「ああ。王太子に呼ばれているんだ。俺は彼の近衛騎士として働いていたからな」
「まぁ! そうでしたの……」
夕食の席で明かされた思いがけない事実に、イネスは密かに息を呑む。リオネルは小さく頷くと、カトラリーをそっと置いた。
「それで、しばらくの間王都に滞在するのだが、移動期間も含めて三ヶ月ほど屋敷を留守にすることになってしまうんだ」
「……! そう、ですか」
領地から王都までのんびり馬車で行って一ヶ月ほどかかる。この上、遠路はるばる王都に行くのだから、会いたい人もいるだろうし、色々と仕事もあるのだろう。それは仕方がないことだ。
(だけど、分かっていても寂しいわ……)
婚姻期間は短いが、イネスにとってリオネルはもう、かけがえのない人になりつつあった。
聞いてて恥ずかしくなるような甘い言葉も、熱い抱擁も、三ヶ月もの間お預けになると思うと、心がズンと沈んでしまう。



