彼らはイネスが尋ねたわけでもないのに、自分たちが知っている情報を余すことなく教えてくれる。
それは、イザベルや家族から『そんなことも分からないの?』と言われることが常態化していたイネスにとって、とてもありがたく、幸せなことだった。
知らないこと、分からないことがあるのは本来ならば当然のことだ。知らないものを『知らない』と素直に認められる今の環境が、イネスはたまらなく嬉しい。
そうして、新しいものに触れることができる――――思う存分尋ねられる。
そんな機会を与えてくれたリオネルに、イネスはとても感謝していた。
それは、イザベルや家族から『そんなことも分からないの?』と言われることが常態化していたイネスにとって、とてもありがたく、幸せなことだった。
知らないこと、分からないことがあるのは本来ならば当然のことだ。知らないものを『知らない』と素直に認められる今の環境が、イネスはたまらなく嬉しい。
そうして、新しいものに触れることができる――――思う存分尋ねられる。
そんな機会を与えてくれたリオネルに、イネスはとても感謝していた。



