早速完成したばかりの衣装を着て、学校からすぐのところにあるコンビニへ行く。

 夏海の小さなペットボトルのレモンソーダと、私のパックのいちごミルクを買い、学校へ戻る。

 住んでるところは涼しい地方だって言われているけれど、夏はとても暑い。

 暑くて、半袖にすれば良かったななんて考えながら歩いていると、学校の正門前にある木の下で倒れている男子生徒を発見した。全体の色素が薄く、全体がスラリとしたまるで絵画を見ているような気持ちになる美少年だった。

「えっ? 大丈夫ですか?」

 駆け寄り、肩にそっと触れた。

「大丈夫。ちょっと太陽が苦手で、木陰で休んでるだけ」

 見た感じ、顔が真っ青で大丈夫そうではない。

「保健室行きます?」
「いや、大丈夫……それより、飲ませて?」
「えっ?」
「ち……」
 そう言いながら彼は、弱々しく私を指さした。
「あっ、これ? いちごミルクで甘いけど、どうぞ」

 透明な袋に入っていたから、何が入っているか見えたのかな?

 パックにストローをさし、彼に渡した。
 なんだか受け取るまでに間があったけれど、彼はゆっくり座り、いちごミルクを口にした。

 私も日差しが暑かったから木陰にいる彼の横でしゃがみ、彼の様子をみる。

 相当喉が乾いていたのか、一気にいちごミルクを飲み干した。

「ありがとう、名前は?」
「私は3年A組、一之瀬 清花(いちのせきよか)
「僕は、1年B組の天宮 琉生(あまみや るい)

 なんとなくだけど、年上な感じがした。
 けれど年下の1年生だった。 

 少し経つと、体調が落ち着いてきたみたいだったから、私は立ち上がって夏海の元へ戻ろうとした。

「待って?」

 彼が勢いよく私の手を引っ張り、私は思い切り彼の身体に引き寄せられた。

 そして私の首辺りに、彼の顔が近づいてくる。私は呆然とし、身動きがとれなくなって、されるがままに。