「私ね、永遠に、幸せに生きられると思うよ。想さんとなら」

 何度も何度もその言葉が頭の中をリピートする。
 100年前に聞きたかったその言葉。

「僕も、一緒に生きたいと思っている」

 『好き』が深くなるほど失うことを考えてしまい、しんどくなる。

 ――辛かった。

 だから彼女が離れていった時は、もう関わらないで生きていくのが正解だと思っていた。

 関わりたくなかった。
 関わりたかった。
 本当はずっと一緒にいたかった。

 ヴァンパイアにはないと思っていた『矛盾の心』も、彼女が関わると、ふつふつと湧き上がる。

「ねぇ、私の血、吸っていいよ」

 彼女は優しく微笑んだ。